ロッテ「佐々木朗希」が驚異の復活でCSのカギに 他球団は「本調子になったらヤバいぞ」吉井監督は独特の表現で現状分析

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「チームの柱」という自覚

 その佐々木がファイナルステージでも先発してくるとなれば、オリックスにとって脅威になると思うが、こんな指摘も聞かれた。

「10日の佐々木は、良くなかったと思います。重心が高いんですよ」(前出・在京球団スタッフ)

 それでも、最速は161キロだった。本調子ではないことはオリックスベンチも察していたようだ。しかし、それが“脅威”にもつながった。本調子ではないのに161キロのスピードボールが投げ込まれていたのだから、「本調子になったら、ヤバイぞ」と思ったそうだ。10日の登板を「調整」と言った吉井監督のコメントが、さらに追い討ちとなる。

 先のチーム関係者がこう続ける。

「佐々木はチームを離脱していた間、千葉市内の医療機関や二軍施設でリハビリを続けていました。球団は普段から管理栄養士の助言も受け、食事面での管理も行ってきました。予定以上に早い復帰は、球団が普段から取り組んできたことの成果でもあり、ドラフト候補生へのメッセージにもつながったと思います」

 9月8日、佐々木は医師の再検査を受けており、「完治」のお墨付きももらっていた。医療機関側も回復の早さに驚いていたそうだ。また、全力投球を再開させたのは10日の試合前と言うから、次回登板はもっと良くなるだろう。

「佐々木が成長したと思えるのは、自分がチームの柱なんだという自覚が芽生えたこと。7月24日の故障にしても、6回途中から痛みとの戦いになっていました。『このイニングを投了させる。でないと、リリーフ陣に迷惑を掛ける』と頑張ってしまったんです」(前出・同)

「チームの柱」としての自覚は、10日の試合後、投手陣を預かる黒木知宏コーチ(49)も話していた。吉井監督の「無理をさせない」の持論と相反する点もあるが、佐々木の登板がチームの士気を高めていることは間違いないようだ。

 ここまでの佐々木の奪三振数は132個。リーグ4位だ。トップは山本の145個だが、故障離脱前、佐々木は防御率と奪三振数のトップを走っていた。初タイトルは持ち越しとなりそうだが、吉井監督の「将来がある選手なので、無茶はさせない」と長いイニングは投げさせないと繰り返していた。そうであれば、CSファイナルステージでは「中4日、2回先発してくるのでは」との声もオリックスサイドから聞こえてきた。

 2010年以来の下克上となるか。それは、「チームの柱」という佐々木自身の自覚に掛かっている。

デイリー新潮編集部

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