「そろそろ楽になってください」 神戸山口組の井上組長が75歳を迎えた直後に聞いた「耳の痛いアドバイス」

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80歳で引退説も

 もちろん小林会長の言葉は、神戸山口組の解散と井上組長の引退を迫るものだったのだろう。

「井上組長に気持ちのブレはないようです。これまでも“1人になっても引退しない”と言ってきたとされていますしね。本心としては、組織のために命を賭けるなどして服役中の組員がそれなりにいる中で、“現時点で辞めましたとは言えない”と考えているようです。一方で、“80歳になれば引退もあり得る”との情報もあるにはあるのですが……」(同)

 井上組長は現在75歳。80歳ということはあと5年。その時間が経過したとして、何か整理されることがあるのだろうか。

「長い懲役に行っている者が全員戻ってくるわけではありませんから、5年で何か区切りがつくということはないでしょう。“5年も経てばさすがに井上組長の気持ちに限界が来るのではないか”との見立てがあるのかもしれません。井上組長自身、過去の親分らの引き際、引退後の生活を見てきた中で感じてきたところもあるでしょう。一方で、引き際の難しさを痛感しているのかもしれません」(同)

カタギになりました

 自身で引き際を見定められないなら他の誰かから勧告を受けるというのも、引退のひとつの形ではあったが、今回の小林会長の言葉も伝わらなかったということなのだろう。

「かつてボンノと呼ばれた菅谷組の菅谷政雄組長に対して、竹中正久・山口組若頭補佐(当時)が引退勧告をする際には、『田岡一雄親分のところへ行った際に、“カタギになります”と言うのではあかんぞ、“カタギになりました”と言うて挨拶せえよ』と伝えたそうです。それくらいハッキリ言ってくれる相手が井上組長にはいないのかもしれません」(同)

 仮に組織を解散してカタギになるなら、6代目山口組の司忍組長や高山清司若頭のところへ出向き、頭を下げなければならない――そういった事情もまた、井上組長にとっては高いハードルになっているのかもしれない。

「井上組長が引退したら他組織に移る組員もいるでしょうが、カタギになる組員もそれなりにのぼるはずです。言うまでもなく、カタギになる組員は一人でも多い方が良い。そして決断するなら一刻も早いほうがよいと思います」(同)

デイリー新潮編集部

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