【ハヤブサ消防団・最終回】立木彩は「聖母アビゲイル教団」の聖母になるのか 本当の目的は?

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 評判高いテレビ朝日「ハヤブサ消防団」(木曜午後9時)が、14日でいよいよ最終回。主人公・三馬太郎役の中村倫也(36)、立木彩役の川口春奈(28)ら演技の巧みな出演陣を揃え、池井戸潤氏(60)による原作小説の持ち味はそのままで大胆に脚色しことなどがヒットの理由だろう。

川口春奈の演技力が光った

 このドラマのキーパーソンである映像ディレクター・立木彩役を演じている川口春奈は女優デビューから14年目。人気と実力を兼ね備えたトップ級の女優になりつつある。このドラマの成功も川口の存在が大きかった。

 川口の人気度と好感度はこのところ上昇一途。CM起用社数はシオノギ「セデス」やJCBカードなど19社に達し、1月から6月の今年上半期ではトップに躍り出た。15社の今田美桜(26)、同・芦田愛菜(19)を抑えた(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 実力もこのドラマで見せつけている。出演陣は主人公のミステリー作家・三馬太郎役の中村倫也らうまい人ばかりのなか、川口も負けてはいない。彩は3話まで正体がはっきりせず、その後も現在に至るまで心情がつまびらかになっていない難役だが、巧みに演じている。

 彩が太郎と親密な関係になったのは4話。ほどなく太郎の担当編集者・中山田洋(山本耕史・46)が、彩は解散した反社会的宗教団体「アビゲイル騎士団」の広報担当者だったことを突き止めた。だが、太郎と視聴者の多くは彩と教団の関係が切れていると思い込まされた。

 5話で彩が太郎に対して行った弁明が真に迫っていたからである。「(教団からは)離れました」、「もう何の接点もありません」。それを訴える時の真摯な表情や誠実な物言いに、ウソは感じられなかった。

浮かび上がってきたやっと物語の全体像

 ところが、同じ5話の終盤で視聴者は川口にしてやられたことに気づく。彩が太郎と抱き合いながら、太郎宅の壁に貼られていた山原展子(小林涼子・33)の写真を見て、妖しい含み笑いを浮かべたからだ。ゾッとするような表情だった。

 笑みは展子の写真に向けられているように見えた。また、太郎を騙せて、ほくそ笑んでいるようにも思えた。いずれにせよ、太郎への言葉は偽りであるのは間違いなかった。この一瞬の表情だけでも川口の演技技術の高さが知らしめられた。

 展子が教団と関わっている人物であることは3話から臭わされていた。1話からスピリチュアルな雰囲気を漂わせていた白髪の女性・野々山映子(村岡希美・52)が、展子の写真を崇めていたためである。しかし、ようやく展子の正体が明かされたのは8話になってからだった。

 展子は教団の教祖的存在・聖母だった。一方、彩がハヤブサ地区に本部を置こうとする後継組織「聖母アビゲイル教団」の聖母候補と分かったのも8話。やっと物語の全体像の輪郭が浮かび上がってきた。

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