中日は2年連続最下位確実、最低勝率の可能性も…、それでも他球団から「オフは立浪監督と話がしたい」と言われる理由

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最も注目を集めるのはあの人

 だが、最大の注目はやはり、ビシエドだ。

 来日8年目、「中日愛、名古屋大好き」を公言してきたが、今季は出番が激減し、二軍落ちも経験した。「長打、一発が期待できない」のが“干された原因”とされるが、昨季までの通算打率は2割9分2厘。昨季も142安打、63打点の記録を残した。来季35歳にはなるが、動体視力、瞬発力は衰えていない。

 今季の不振原因も「モチベーション」とされており、「試合に出す!」という保証が得られれば、復調はもちろん、名古屋から離れることも受け入れるだろう。

「ビシエドが二度目の二軍落ちとなった5月、ウエスタン・リーグの球場にパ・リーグ各球団の編成担当者が集まって、様子を窺っていました。今季は3年契約の2年目なので、移籍先の球団は年俸3億5000万円(推定)の契約を引き継ぐことになります。高額年俸で二の足を踏む球団も出てきそうですが、『確実に計算の立つ優良外国人選手』であることは間違いありません。最大の魅力は広角に打てること。指名打者制のパ・リーグなら、あと3年はやってくれそう」(前出・同)

 もっとも、こうした強引なトレードによるチーム再建論に批判的な声も多い。また、成績不振から退任を迫るような野次もバンテリンドームで聞かれるようになった。しかし、今オフのチーム改造も立浪監督が「やる!」と決めれば、球団は全面的にサポートしてくるだろう。こんな情報も聞かれた。

「立浪政権の仕掛け人である大島宇一郎オーナー(58)が、『立浪監督が辞めるのなら、自分も』と言ったそうです。営業サイドに本拠地の観客数を聞くと、堅調だと。これだけ負けても動員が落ちないのは、やはり立浪人気なんですかね。ドラゴンズはリーグ優勝から遠のいていますが、その原因はフロント体制にあります。チーム再建のビジョンは歴代の監督に委ねてきました。その監督が3年くらいで交代して、新しい監督がまだゼロから作り直すのを繰り返してきたので、立浪監督を解任しても何も解決しません」(前出・名古屋在住記者)

 大島オーナーが言ったとされる「自分も」発言は、立浪監督の補強・再建案に異論を挟ませないという球団幹部への通達でもあったようだ。

「出番がなくなって、放出」の流れだが、もう一人気になる選手がいる。根尾昂(23)だ。立浪監督が一軍昇格をチラつかせる発言をしたのは一度や二度ではない。だが、それが一向に実現しない以上、根尾も「構想外」と位置づけられているのではないか?

 根尾はお膝元の岐阜県出身であり、ファンも心配している。その根尾を出すとなっても、大島オーナーという後ろ盾がある以上、誰も止められないだろう。

デイリー新潮編集部

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