「金庫番の報酬は500万円で実行犯の5~10倍」 ルフィ事件、「情報屋」「金庫番」らの相関図が明らかに!【捜査資料入手】

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“報復部隊”の脅し

 また捜査の網をかいくぐり続けているのは情報屋だけではないという。

「ルフィらは闇バイトで集めた連中に免許証などの画像をスマホで送らせ、実家の住所を把握していた。グループから足抜けしようとするメンバーを“お前の身元や家族の居場所も分かっている”と脅すため。そうした脅迫の際の手足となる“報復部隊”まで雇っていたんです」(同)

 実際、“報復部隊”に心理的圧迫をかけられ、恐怖心から犯罪に加担した者がいるという。

「ルフィの指示で、実行犯らの取りまとめや現地への引率、犯行に使うモンキーレンチや結束バンドなど道具の購入・用意、盗品の換金処分やその後の報酬の分配など後方支援全般を担った大古健太郎(34)という男がいます。こいつは、“自分が一度グループを抜けようとしたら、ひげを生やした中東系のような風貌の大男が大阪の実家に現れた。(イスラム原理主義組織『アル・カーイダ』を率いた)オサマ・ビンラディンのような不気味さで、母親が脅された。だから抜けることはできなかった”と話しています」(同)

“死者が出ても仕方ない”と織り込んでいた?

 捜査資料から浮かび上がるルフィ事件の全貌。ただ狛江同様、広島でも実行犯6名のうち5名までがやはり殺意を否定。強盗殺人未遂ではなく、強盗傷人でしか起訴できていない。

 しかし前述のように、1人だけ例外の扱いになった者がいた。現場を仕切った土木作業員の永田被告である。

「彼は狛江の件では警視庁や東京地検の捜査に反抗的な態度を貫き、他の実行役と同じく殺意を否定。強盗致死でしか起訴されていない。しかし8月に広島に身柄を移送されてからは心境に変化が芽生えたのか“完オチ”している」

 と前出の捜査関係者。

「彼は“広島でも事前に渡邉から殺してはいけないと言われていたが、相手からものすごい抵抗を受け、その指示が頭から抜け落ちてしまった。死んでも構わないと思って、被害者の頭にモンキーレンチを思い切り振り下ろした”と未必の故意(殺意)を認める供述をしています。だから殺意のある強盗殺人未遂で起訴することができたのです」

 しかも、である。

「事件後、被害者が意識不明の重体とのニュースが流れたが、永田は渡邉から特に叱責されたり、今後に向けての注意を受けることもなかったといいます。またこの広島事件の1カ月後、彼らは狛江の事件になだれ込んでいきますが、そこで老婆を殺害してしまった後も、『オマエ、やり過ぎだろう。殺すなとあれだけ言っておいたじゃないか!』などととがめられた事実もないようなのです」

 つまりルフィたちは現場が暴走して殺人にエスカレートする危険性を承知しながら、“死者が出ても仕方ない”と織り込んでいた様子がうかがえるのだ。

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