「金庫番の報酬は500万円で実行犯の5~10倍」 ルフィ事件、「情報屋」「金庫番」らの相関図が明らかに!【捜査資料入手】

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暗躍する情報屋、金庫番

 情報屋の一人は赤坂が拠点のS・A(28)。広島に土地勘があり、「この店はセキュリティーが甘く、防犯カメラもない」「金庫に3千万円の現金が入っている」などの情報を提供。広島県警関係者が言う。

「本人か手下が現地で下見もしている。詳細な情報をルフィに送り、“玄関からのアタックが確実です”との助言もしていた」

 もう一人の通称「中島さん」に至っては、新宿にアシがあることは分かっているが、捜査当局ですら実体をつかめていない。

 金庫番は綾瀬でフィリピン人との偽装結婚をあっせんするブローカーのH・M(65)。

「ルフィらと同時期にフィリピンの入管施設に収容されていて、接点がある。この親族の女(41)も犯行グループの後方支援役に準備資金を口座送金するなどして関わっていた」(同)

「せいぜい個人情報保護法違反の罪」

 Hは一度ルフィ事件関連で逮捕されているが、その後、なぜか釈放されている。

 情報屋に関し、元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏に補足してもらうと、

「現在の犯罪の手口は巧妙化が著しく、セクション別に細かい分業体制を取るようになっています。情報屋もそのひとつ。彼らは不動産投資家などの詳細な個人情報を集めた名簿を持っており、特殊詐欺犯や強盗犯はその情報を用いてターゲットを定めている。情報屋を捕まえることが捜査上は重要なのです」

 名簿には標的となる家の間取りや家族構成、店内にどれほど監視カメラがあるか、金庫に大金が保管されているか、などのデータまで収められているという。情報屋こそ諸悪の根源で、摘発しないかぎり、第2、第3のルフィ事件が後を絶たないだろう。だが、コトはそう簡単ではない、と表情を曇らせるのはある警察庁幹部だ。

「情報屋の所在をつかむのは極めて難しく、また、せいぜい個人情報保護法違反の罪に問えるくらい。逮捕したところで“名簿や情報が何に使われるのか知らなかった”と主張されてしまうと、強盗の共謀共同正犯に問うことなどできない」

 ルフィらが逮捕された後も各地で強盗事件が頻発している理由はここにある。

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