「家でどうしても食べられない一品があるの」妻の浮気を咎めたら思わぬ反論が…44歳夫が何も反論できなかったのは何故か

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“外注”

 だがそのまま放っておくこともできなかった。夏海さんのお店時代の親しい友人に連絡をとってみた。

「僕も何度か会ったことがあり、家に遊びに来たこともある優子さんに、相談があると言って時間を作ってもらって。夏海が浮気していると思うと言ったら、優子さんは『うん、聞いてる。でも浮気じゃないわよ』と言うんです。『彼女、レスで苦しんでいたわよ。さんざん苦しんだあげく、セックスだけ外注することを選んだって言ってた。あなたとの家庭は絶対に壊したくない』って。愕然としました。夏海がそれほど苦しんでいたなんて、僕はまったく思いが至っていなかったから」

 どうしたらいいかわからなかった。そんな思いを受け止めてもらうために、彼はときどき優子さんに会った。彼女はスナックを経営していたので、そこに行けば会えるし話もできる。そうしているうちに優子さんを好きになっていった。夏海さんのように彼をぐいぐい引っ張って行くタイプではない。そっと寄り添ってくれる雰囲気をもっていた。

「ただ、彼女は『私はあくまでも夏海の友だち。あなたの友だちでもある。だから裏切れないの』と男女関係になることは拒絶されました。僕も性的なことはどうでもよかった。優子さんの店に行ったり、ときにはオープン前に食事をしたり。そんな関係だったけど、僕の気持ちは優子さんに走っていたのかもしれません」

妻を咎めると

 昨年の夏だった。娘が友だちの家に泊まりに行った日があった。彼が仕事帰りに優子さんの店に行こうとして繁華街を歩いていると、妻が男と並んで歩いているのを通りの反対側から見つけた。思わず妻のあとをつけた。ふたりはホテル街へと入っていき、いちばん手前の入り口へと消えた。

 優子さんの店へ行く気力も失せ、知らない店で強くもないのにしこたま飲んで酔った。深夜に帰ると、妻はすでに帰宅していた。

「酔っていたせいでしょうね、ホテルは楽しかったかと言ってしまったんです。妻は顔色ひとつ変えず、『優子と楽しんできたの?』と。ちょっと待て、オレは浮気なんかしてないぞと言ったら、妻が『私だってしてないわよ』って。ホテルに入るのを見たんだと言うと、『性欲を解消してきただけ』と平然と言う。『あなたの気持ちは優子にあるんでしょ』と責められて言葉が出なくなりました」

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