ジャニーズ事務所が社名変更しなかった特別な事情 会員1300万人、会費総額520億円の“ファンクラブ問題”があった
「うちはジャニーズの番組ですから」…忖度はどうなる
会見では、テレビ番組にジャニーズ勢が優先して出演する、忖度の問題も取り上げられた。
東山は「(忖度は)必要ない。公平にいくべき」と断じた。ジャニーズアイランド社長・井ノ原快彦(47)もジャニー氏とメリー喜多川・元名誉会長(2021年に93歳で死去)の言ったことをテレビ局側が守っているだけではないかと語った。
もっとも、会見後に別の芸能事務所幹部と話したところ「2人が知らないだけ。ジャニーズ側が忖度を望まなかったら、なんで行われているの」と失笑した。
民放の大型音楽番組の幹部は、ほかの事務所に所属する男性グループアイドルをことごとく排除し、その理由について問われると「うちはジャニーズの番組ですから」と、開き直っているという。
ジャニー氏、メリー氏、ジュリー氏が各局首脳、現場担当者と長く深く結び付いてきたのが大きい。また、木村拓哉、「嵐」ら視聴率の獲れるタレントのキャスティング権を握っていることも同事務所側を優位に立たせた。
一方で稲垣吾郎(49)、草なぎ剛(49)、香取慎吾(46)、山下智久(38)ら退所組はずっと民放に出にくい。衰退の一途を辿る民放の自殺行為にほかならない。わざわざ出演者の選択肢を狭めているのだから。
「日本のエンターテインメント・ビジネスは韓国に負けてしまっているが、その理由の中には忖度や共演NGが間違いなくある」(前出・芸能事務所幹部)
忖度廃止の突破口は「CDTV」か
もっとも、忖度を捨てようとしている民放もある。
滝沢秀明氏が率いるTOBE所属の元「King & Prince」の平野紫耀(26)について、TBS「CDTV ライブ!ライブ!」(月曜午後8時)が出演依頼にかなり前向きだという。平野は来月にもソロデビューが見込まれている。実現すると、忖度廃止の突破口になりそう。
TBSは他局に比べると、もともとジャニーズ事務所への依存度が低い。また、早大ラグビー部出身で元「筑紫哲也 NEWS23」プロデューサーの佐々木卓社長(64)は諸問題に対する発言がジャーナリスティックで、性加害についても早くから踏み込んだ発言をしている。
各局が忖度をどう考えるのか注目される。
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