「生涯後悔するぞ!」と裁判官を恫喝 工藤會「野村総裁」の新・法廷戦略は吉と出るか凶と出るか
関東で勢力拡大を図る
頂上作戦の対象となってなお勢力拡大の動きもあるというのは理解しがたいが、一般社会の非常識はヤクザ界の常識のようだ。
「工藤會は全国で唯一、特定危険指定暴力団に指定されたわけですが、そのことがヤクザ業界では“権力と闘った立派な組織”といった評価になったり、“何をしでかすかわからない集団”といったイメージにつながったりしているという面もある。そのため代紋の威光はとても強いと評価されているようです」(同)
強い代紋は多くの組員を惹きつけ、そして上納金を引き出す効果があるという。工藤會に対する頂上作戦はこれ以上ないほどの成功を収めたが、その後、苛烈な作戦をサバイブした組織として業界で評されているというのは皮肉で不気味なことという他ないだろう。
こうなると今後の公判での言動などもまた戦略的に活用されることになりかねない。
福岡県警は7日、工藤會の暫定トップに6代目田中組の後藤靖組長(48)が就いたことを明らかにした。野村・田上両被告と同じ田中組の系譜に属する人物だが、こちらも控訴審の行方について、固唾(かたず)をのんで見守っているという状況のようだ。
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