来季はサード「坂本勇人」、ショート「門脇誠」が定着するか【柴田勲のセブンアイズ】
坂本の今後
坂本が7日のヤクルト戦(神宮)からプロ17年目にして初めて三塁で先発出場した。新人の門脇に指定席の遊撃を譲り渡した。これは門脇誠の成長があってのことで、来季以降をにらんでいる。
守備範囲が広くて負担があるショートに比べると三塁は楽だ。坂本は昨年、左わき腹と右ヒザ、腰を痛めて3度離脱、1軍に定着してから最少の83試合出場にとどまった。
今季も6月に右太もも裏の肉離れで約1カ月間戦列を離れた。結果として当日の様子を見てスタメンを外れるケースも増えた。
坂本の三塁は選手寿命を伸ばすためだ。坂本は今年12月で35歳だ。打撃は言うことなしだ。あと3、4年、38歳くらいまでは黙ってやれる。
大きく成長した門脇
門脇は元々守備には定評があった。もの足りなかったのは打撃だった。それも最近はしぶとくなったし、時に本塁打を放ってパワーのあるところもアピールしている。盗塁数もチームトップで巨人の新人では2010年の長野久義以来の2桁(10個)をマークしている。
打率は2割5分8厘、これが2割そこそこだったら使いにくいが課題を克服しつつある。三塁・門脇、遊撃・坂本でずっと組んでいてもいざ門脇が遊撃に回るとなったら、門脇自身がしんどくなるかもしれない。
それに先々、坂本を一塁に回して、岡本和真を三塁に戻すこともできる。
門脇にショートで1年間フルに出場できるとメドが立ったのだろう。前述したが大きな成長によるものだ。
1昨年の21年には松原聖弥が外野の一角を取ったと思われたが結局ダメだった。
私の現役時代は「3年レギュラーを張って一人前だ」なんて言われたが、いまではそんなことはない。門脇は今シーズン最後まで進化を続けてほしい。
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