DeNA「三浦監督」を悩ませるバウアー残留交渉 本人にいくら日本愛があっても高すぎる壁が
一人でDeNAの総年俸を上回る?
参考までにMLBの有名投手の年俸を挙げると、ドジャースの大黒柱でもあるクレイトン・カーショウ(35)は2000万ドル(約26億円)、メッツに移籍した千賀滉大(30)は1400万ドル(約18億2000万円)。昨オフ、SFジャイアンツからヤンキースに移籍したカルロス・ロドン(30)は6年1億6200万ドル(約237億円)で契約し、パドレスのダルビッシュ有(37)は今年2月に6年1億800万ドル(約140億円)で再契約を交わした。日本とアメリカではマーケティングの規模が大きく異なるが、バウアーの2250万ドルは、MLBではエースに提示するごくフツーの年俸なのである。
「バウアーはお金だけで動く人ではありません。野球に専念できる環境をいちばんに求めています」(前出・同)
こんな“秘話”も聞かれた。バウアーの背番号96は「球速(マイル)から取った」と言われていた(約153キロ)。しかし、米国ではそう報じられていない。バウアーはオフシーズンにチャリティー活動として、96の慈善団体に支援金を寄付しており、「そこから取った」と。なぜ、96団体なのかは公表されていないが、来季の新年俸を「日本球界」に合わせた場合、チャリティー活動にも影響してきそうだ。
選手名鑑などで公表されている推定年俸をもとに計算したところ、NPBのチーム総年俸1位はソフトバンクの39億8990万円。DeNAは25億748万円で、12球団中7位。12球団平均では、26億5844万円と言われている。
1月に公表された数値なのでその後の補強やトレードなどで少し変わっているが、仮にバウアーがドジャースの23年度と同じ2250万ドルを求めたら、その時点でチーム総年俸を完全に上回ってしまう。
「バウアーがどれだけの年俸を求めてくるのかまだ分かりませんが、ソフトバンク、巨人、オリックスなど資金力豊富な球団が横やりを入れてくるかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
そういえば、オリックスは今オフ、エース・山本由伸(24)がポスティングシステムで米球界への挑戦が既定路線のように伝えられている。ひと足早く渡米した吉田正尚(30)は5年9000万ドル(約117億円)の大型契約を結んでおり、オリックス球団には1537万5000ドル(約21億5200万円)が譲渡金として支払われたという。
山本が同レベルの大型契約を交わせば、「吉田プラス山本」の譲渡金をバウアーサイドに提示できる。
「MLB公式サイトがDeNAの今永昇太(30)が、今オフにポスティングシステムを使ってMLBに来ると伝えました。WBCで好投し、米球界にも認知されていますが、急に出てきた話なので、米国でもビックリされています」(前出・米国人ライター)
今永もMLBへ行くとなれば、山本同様、大型契約となるだろう。突然の米球界挑戦の一報は、バウアーの残留交渉にどう影響するか。