DeNA「三浦監督」を悩ませるバウアー残留交渉 本人にいくら日本愛があっても高すぎる壁が

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復帰も大事だがそれ以上に……

 横浜DeNAベイスターズの「番長」三浦大輔監督(49)と「2020年サイ・ヤング賞投手」トレバー・バウアー(32)は、トコトンまで話をしなければならないだろう。

 バウアーの一軍登録が抹消されたのは、9月1日だった。球団は前日、バウアーが横浜市内の病院で検査を受け、「右腸腰筋遠位部損傷」と診断されたことを伝えたが、復帰時期については明かしていない。三浦監督も、「しばらくかかりそうな感じなんで」と言ったが、詳細は語らなかった。

「この日から4位巨人との3連戦でした。その勝敗次第では順位が入れ替わる可能性もあったので、試合に集中したかったんでしょう。三浦監督は『バウアーのことばかり聞かないでくれ』という心境だったと思います」(スポーツ紙記者)

「腸腰筋」は上半身と下半身をつなぐ大事な筋肉で、「全治まで1ヶ月ほどかかる」とされており、「重症なら2ヶ月を要する」とも言われている。8月30日の阪神戦で、近本のピッチャーゴロをスライディングキャッチし、飛び上がるようにして一塁へ送球。そのときに痛めたのだが、「1ヶ月」で戻って来られるとしたら、ペナントレース終盤戦にギリギリ間に合う。チームがクライマックスシリーズ進出となれば、大きな戦力ともなってくれるだろう。

 ここまで19試合に先発して10勝4敗、防御率2.76。1人で「貯金6」を積み上げ、直近3試合は中4日で登板していた。しかも、“投げたがり”で完投能力も高い。

「バウアーは来日して間もないころ、右肩を痛めました。でも、完全に治っていなかったのに投球練習を再開させてしまいました。大事に至らなかったので良かったものの、今回は復帰時期を見誤ったら、バウアーの投手としての今後に影響してきます」(チーム関係者)

 だが、三浦監督とバウアーが話し合わなければならないのは、復帰時期だけではない。「来シーズン以降の契約」についてだ。

「DeNAの選手たち、スタッフたちとすっかり馴染んでいます。オールスターゲームでもセ、パの選手が先を争ってバウアーに投球論や配球のこと、体調管理や変化球の握り方を教わっていました」(前出・同)

 すっかりチームに溶け込んだようだが、はたして来季もDeNAでプレーするのかどうか……。

バウアーの“本当の”今季年俸

 メジャーリーグ帰還を予想する声とDeNA残留説の2つがある。昨今では後者を唱える向きが強くなってきた。

「米国におけるDV騒動は今も尾を引いています。バウアーの件では、相手側が告訴を取り下げ、バウアーの言い分は認められましたが、MLBはDVについては独自に厳しい処分を下しています。彼の才能を惜しむ声はたくさんありますが、復帰は難しいと思いますよ。でも、日本球界では尊敬されていると、米国でも紹介されていますがね」(米国人ライター)

 バウアーは今やすっかり親日家となり、夏の甲子園大会中は、都道府県の代表校が日本一を争う野球文化に興味を示していたという。代表校のある市町村が町ぐるみで応援し、またスタンドに掛けつけた生徒たちが一丸となって応援している様子に、「実際に観戦したい」「野球文化を勉強したい」などと話していたそうだ。

 日本に馴染んだ様子からもDeNA残留は十分に考えられるが、話はそんなに簡単ではない。ネックとなっているのは、ずばり「カネ」だ。

 23年の推定年俸は、基本給300万ドル(約4億3000万円)プラス出来高100万ドル(約1億4000万円)。だが、実際にバウアーが手にする“報酬”はこれだけではない。

「23年はドジャースとの3年契約の最終年でもありました。『3年1億200万ドル』(当時約107億円)で20年オフに契約しています。1億200万ドルは3年間の均等割りではないので詳しい数字は分かりませんが、ドジャース側が退団を要請したので、23年の年俸分はバウアー側に支払われているはずなんです」(前出・同)

 一説には「23年は2250万ドル(約32億円)が支払われている」とも言われている。つまり、今季のバウアーにはDeNAからの最高額で400万ドルと、ドジャースからの2250万ドルの両方が振り込まれるということ。DeNAが「来季も残ってくれ!」と残留を正式に要請した場合、MLBのエース級の投手に相応しい年俸額を提示しなければならないのである。

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