【ドイツ戦】森保監督は公言通りの戦いで圧勝、名将・クリンスマン監督を招聘しても結果の出ない韓国代表との違い

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 昨年11月23日のカタールW杯以来の再戦となったドイツ戦。1トップにCF上田綺世を選択したことで、森保一監督のこの試合に賭ける決意を、メッセージを感じた。「引いて自陣にブロックを作って守り、前線から激しいプレッシングでドイツの攻撃を封じる」というカタールW杯の再現ではなく、常々公言してきた「主導権を握って攻める」と真っ向勝負を挑んだのだ。そのために、前線でポストプレーから攻撃の起点になれる上田を起用した。

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「ポスト大迫勇也の一番手」と期待されながらも、代表初ゴールは今年6月のエルサルバドル戦まで15試合もかかった。時折ポストプレーで輝きを放つものの、それが持続しない。コンスタントにボールを収めてキープしてくれないと、なかなか攻撃を押し上げることができず、散発に終わってしまう。その結果、代表での定位置を確保したとは言い切れなかった。

 しかしドイツ戦では、後半13分に交代するまで20回以上もくさびのパスやワンツーのパスに絡み、ポストプレーでは2人がかりのマークにボールをロストした回数と反則を取った回数はほぼ互角。上田の落とし(後方の選手へのパス)から、サイドへと展開する攻撃で日本はボールを保持する時間を確実に増やしていた。上田自身も「これまでと違い起点になれていたのではないかな。初めて代表に貢献できたんじゃないかと思います」と手応えを口にした。

 決勝点もストライカーらしいゴールだった。フィールドではポストプレーの際、敵ゴールに背を向けることが多い。しかし、ペナルティーエリア内で敵ゴールに背を向けていては、ヒール以外にワンタッチでシュートは打てない。このためサイドからのクロスにしてもタテパスにしても、身体の向きは敵ゴール方向に向けてボールを呼び込み、いつでもワンタッチで打てる準備をしていないといけない。

上田綺世の面目躍如

 右SB菅原由勢の高速右クロスに右FW伊東純也が触ってコースが変わったボールは勢いがあり難しいボールだったが、上田は「跳ね返りが来る可能性があるので常に準備していた」と言う通り、しっかりと身体でゴール方向に面を作り、左足で反応して押し込んだ。昨シーズンはベルギーのセルクル・ブリュージュで22点を決め、オランダの名門フェイエノールトへ移籍したストライカーの面目躍如といったところだ。

 今シーズンは自身初となるCL(欧州チャンピオンズリーグ)出場のチャンスもあるが、試合後に森保監督は上田が筋肉系のケガを抱えていることを示唆。そして翌日の練習で左足に違和感を覚えたため欠席し、11日にチームから離脱することが正式に発表された。上田にとっても日本代表にとっても痛手ではあるが、まずはケガを治してフェイエノールトでのスタメン確保を目指してほしい。

 森保監督は、就任以来、戦術やシステムを選手に事細かにレクチャーするタイプの指揮官ではない。試合が始まってしまえば監督にできることは限られているからだ。このため、選手の自主性や判断力、修正力を重視する。代表監督に就任したばかりのころは、それで東京五輪やカタールW杯に間に合うのだろうかと疑問に思ったものだ。

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