坂本勇人「三塁コンバート」で巨人に不協和音 「打開策」に原監督の“ごり押し”再燃の声

スポーツ 野球

  • ブックマーク

一、三塁手がだぶつく難題浮上

 しかし、今後は他選手との併用が課題として持ち上がる。

「三塁には不動のレギュラーの和真(岡本)がいる。勇人が三塁に入れば、一塁に回る。一塁は本来、(離脱中の)中田(翔)がいる。遊撃で門脇がフルシーズンを戦えるかが分からず、この4人で三つのポジションを回していけるが、門脇が一本立ちすれば一、三塁でだぶつくことになる。坂本、中田は年齢的にフル出場が見込めないので併用という手はあるのの、出番を半減させるほど休養が必要なわけではない。中田を日ハム時代に経験がある外野でも使うこと以外に、監督にはある構想を温めているようだ」(同前)
 
 それはセ・リーグの指名打者制の採用だという。

 セでのDH制の採用は原監督の悲願とさえ言える。20年にソフトバンクとの日本シリーズで2年連続4連敗を喫した後、同年オフにはオーナー名でセ・リーグ理事会に対し、異例の要望書を提出するに至った。パとの実力差を埋めるため、原監督はその必要性に持論を展開してきた。

セ・リーグ監督はDH制反対?

「メジャーでは昨年からア・リーグだけではなくナ・リーグでも導入され(NPBではナに該当する)セでも、という機運が高まっている。戦力が豊富な巨人最も恩恵を受けるため反対意見が根強い中で、1アウトが確実な投手が打席に立たないことでより点が入りやすくなることや、相手打線が強力になることで好投手を育てるメリットがあることなどを大義名分に、原監督は採用に向けて攻勢に出るのではないかとみている」(前出の元監督)

 DH制が導入されれば、中田を外野に回さなくても坂本との併用が可能になる。

 それでも、導入は一筋縄ではいかないようだ。

「今年1月の監督会議では、岡田(彰布=阪神監督)さんに“野球が面白くなくなる”などと却下された。他球団の監督も巨人ほど戦力がないだけに、巨人に有利になるルール変更には難色を示している。来季もセ球団の監督の顔触れは変わらないだろうから、原監督の要望が通るかどうかは不透明な状況。以前のように巨人のプレゼンスがないことも(背景には)ある」(同)

 中田は今季から年俸3億円の3年契約を結ぶ。故障や不調でなければ起用が前提となる。うまく併用しなければ、不協和音を生じかねない。

 一方、外野で使うことになれば、秋広優人ら若手に台頭の兆しが見える中で、進行中の世代交代が遅れることになるかもしれない。DH制の採用は来季の原巨人の命運を握っているとも言えそうだ。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。