坂本勇人「三塁コンバート」で巨人に不協和音 「打開策」に原監督の“ごり押し”再燃の声

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宮本慎也氏も太鼓判「選手寿命が長くなる」

 ついに観念した。巨人の坂本勇人(34)が9月7日のヤクルト戦(神宮)でプロ17年目、2081試合目の出場で初めて三塁手として先発出場を果たした。長年、慣れ親しんだ遊撃を明け渡し、スポーツメディアは「歴史的決断」「歴史が動いた」などと報道した。坂本は昨季途中に原辰徳監督(65)のコンバートの打診を拒否するほどまで遊撃には思い入れがあった。「三塁転向」の受諾に至るまでに一体、何があったのか――。

 この試合ではドラフト4位ルーキーの門脇誠(22)が遊撃に就いた。今季は三塁の好守でチームを再三、救ってきた。坂本の負傷離脱中は代役の遊撃を無難にこなした。課題だった打撃も進境著しい。

「来年は開幕から遊撃のレギュラーに計算できる。坂本ほどの打力がなくても巨人は周りに打てる打者がいるので、門脇は8番など下位に置ける。巨人では待望の新時代の正遊撃手の出現だろう」(元NPB球団監督)

 坂本は今季で5年契約が終了する。現役生活も最終盤に差しかかっている。近年は故障が相次ぎ、肉体的な負担を軽減するため遊撃からの転向を勧める声がチーム内外で上がっていた。特に、ヤクルトでの現役時代に坂本と自主トレーニングを共にしたことがある宮本慎也氏(52)は今年の春先から「打撃のことを考えれば、そろそろ移ったほうがいい。サードは打球(処理)が難しいが、体的には楽。(選手)寿命が長くなると思う」と語っていた。

 宮本氏は現役時代終盤に遊撃から転向し、三塁でもゴールデングラブ賞を取るまで適応した実績を持つ。コンバートによる打撃面への好影響はあったようで、通算2000安打を達成するなど長く第一線で活躍できた。

宮本氏にはコンバート相談

「(宮本氏は)勇人の遊撃守備の師匠でもある。そのこと(宮本氏のコンバート成功例)は分かってはいた。遊撃の守備から打撃を組み立てるという考えも持っていただけに、なかなか決断できないでいた。ただ、今年は門脇の守備力は認めざるを得ないものがあり、(原監督の打診を)断れる状況ではなくなった。今後の選手生活を見越すと、三塁で守備の負担を軽くし、3000安打の大記録を目指した方がいいと思ったのではないか。宮本さんには(三塁転向の打診を)報告し、前向きに考えるよう、背中を押してもらったようだ」(巨人のチーム関係者)

 今のところ、三塁転向の効果はてきめん。4試合で計14打数6安打、2本塁打、3打点と打撃はすこぶる好調である。
 
 来季は推定年俸6億円からの大幅減俸は確実だ。それでも、今季は故障離脱がありながらも18本塁打(11日現在)を放つなど、まだまだ主力打者に足る力を秘めている。来季は新たな持ち場で、もうひと花咲かせることを目指すことになりそうだ。

 来季、坂本以上に崖っぷちに立たされるのが今季もV逸必至の原監督である。3年契約の最終年。まさに背水の陣で臨むことになる。今季中に坂本の配置転換に道筋をつけ、勝負の来季に向けた新布陣構築へ、まずは第一関門を突破した。

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