リニア建設妨害の静岡・川勝知事が今度は「土」問題で難クセ 「大変ですよ」と大騒ぎする割に説得力のある回答はできず…地元記者も呆れる“お粗末会見の一部始終”
煙に巻き続ける知事
そこでテレビ静岡の記者が「適地でないと認識したのはいつのことか?」と時系列の確認を求めた。2014年の意見書と現在の主張に隔たりがあるのは、NHKの記者も指摘していた通りだ。
川勝知事は「えっと、静岡市の何先生でしたかね、その先生のご論文を読んだときです」と説明するが、これでは回答になっていない。テレビ静岡の記者が遮るように「いつごろでしょうか?」と訊くと、「それはですね……」、「え……、え……、この……」と繰り返したあと、「論文を読んでですね、あの、確信したという感じですので」と再び論文の話に戻ってしまった。
ところが、何を思ったのか、川勝知事は「私は一番最初に燕沢に残土を置けるなと思った人間ですよ」と自慢話(?)を始めた。知事によると2011年5月に現場を視察し、さらに秋にも再訪した。知事は残土置き場の候補地を自分で探そうという意識があり、何カ所か適地を見つけたのだが、その中の一つが燕沢だったという。
一方で、燕沢の周辺に樹木が生えていないことに違和感を覚えた。そこで帰って色々と調べると、深層崩壊について知った──これが時系列だという説明を行った。
テレビ静岡の記者は「意見書の段階では、燕沢は適地だと考えていたのか?」と確認を求めると、「いやあ、難しいですねえ」とはぐらかしてしまう。NHKの時は大演説で煙に巻いたが、今度はとぼけたような回答だ。
深まった疑惑
テレビ静岡の記者は「知事意見の際、燕沢はまだ適地だと考えていたかどうか、ということを聞いている」と忍耐強く質問を繰り返す。これほど質疑応答が噛み合わないと、感情的になって怒鳴る記者が出てもおかしくない。だが、県が配信している動画を見ると、テレビ静岡の記者の口調は冷静だ。
詳細は省くが、この後も質疑は全く噛み合わない。川勝知事は早稲田大学の政経学部で教授を務めていたことがある。「質問の意味を咀嚼し、それにふさわしい回答を行う」というやり取りは、教授として仕事の一部だったはずだ。
にもかかわらず、まともに回答しようとしない。これは川勝知事の心身に問題があるか、言質を取られないよう逃げまくっているかのどちらか──と思われても仕方ないだろう。
川勝知事が別の残土置き場の話を始め、テレビ静岡の記者が「燕沢の話をしています」と、やや呆れたように言う一幕もあった。
何とか川勝知事は逃げ切った。だが、知事として説明責任を放棄したのは明白だ。「リニアで水の問題が解決されつつあるから、今度は無理矢理に土の問題を出してきた」という疑惑がかえって深まってしまったと言える。
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