「12日間の出勤で4280円」「車を使っていないのに経費を引かれ…」 日本郵便の大手下請け企業で悪質な「報酬未払いトラブル」 

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ありえない報酬明細

 現場ではこの担当者の指示のもと、集荷や配達を行っていた。ところが、最初の報酬明細を見て、この女性は目を剥くことになる。

「4月は19日分の日当、つまり24万7千円が支給されるはずでした。しかし、実際の支給は6万9109円。日当1万3千円以下で計算されている上、私用で車を使っていないのに、車両リース代などの経費が約5万6千円計上されていました。私はその後“不足分を払ってください”と言い続けるも、担当者は“後で入金する”と言い逃れ、対応してくれませんでした」

 その後、5月分も19日分の報酬を受け取るはずが、実際の振込はわずか2820円。「日当保証」という約束をほごにされ、結局、彼女は3カ月で仕事を辞めることになった。

「自己責任ですよ」

 実は同社の被害者は他にも。同じく高崎郵便局で働いていた20代女性だ。

「私の場合、昨年6月の面接でその担当者から“日当1万1千円で”“車両経費はこちらで調整してうまくカバーします”と言われました。ですが、面接後に契約書すらもらえていなくて、どのような契約になっていたのかもわかりません。さらに働いてみると、日当を千円分差し引かれていて、報酬が異常に安くなってしまいました」

 今年になると待遇は悪化。

「1月末に支払われた報酬は12日間の出勤で4280円のみ。車を使っていない月も約6万円の経費を差し引かれ、5月末の支払いでは経費が収入を上回りマイナス3720円になっていました。この月は11日間働いたのに、なぜか私がT・Uサポートにお金を払わないといけなくなっている。結果、クレジットカードの支払いができなくなり、身内からお金を借りることになってしまいました」(同)

 他の委託者にも同様の報酬未払いトラブルがあったという。ならば、当事者であるT・Uサポートの社長に聞くと、

「業務委託ですからね、すべて自己責任ですよ」

「担当者はもう飛んじゃっていません。(委託者に)ウチは“働いた分しかお支払いできない”と日報を出すようにお願いしています」

 と、悪びれもせず語るばかり。一方の日本郵便は書面でこう回答した。

「事実であれば大変遺憾ですので、必要に応じて是正を求めてまいります」

 かような無責任体制では、まだまだ不祥事のタネは尽きそうもない。

週刊新潮 2023年9月7日号掲載

ワイド特集「暁の一番槍」より

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