【VIVANT】見捨てられた乃木一家、テントの土地購入、憂助の表の顔…共通するキーワードが終盤のカギ 真相を知った野崎はどう動く

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憂助に撃たれた別班の4人はやはり生存か

 7話終了時点の3日付本稿で、憂助に撃たれた別班の仲間4人が死んだとは思えないと書いた。もう生存は確定したと考えていいのではないか。その証拠に、憂助はベキから射殺を命じられた別班の黒須駿(松坂桃李・34)を殺さなかった。

 テントに拘束された憂助は一緒に捕まった黒須を撃つようにベキから言い付けられ、銃を手渡された。踏み絵だった。しかし、銃はノコルのものと替えられた。

 ベキの銃には弾がフル装填されていた。それを使って憂助が自分たちに攻撃を仕掛けてきたら危険だと考えたノコルは、弾が1発しか入っていないオートマチック式の自分の銃を手渡した。銃はべレッタに見えた。

 憂助は高度な射撃技術を持つにもかかわらず、数メートル先の黒須に向けて撃った弾は当たらなかった。わざと外したとしか思えない。その次は至近距離から引き金をひいたものの、弾がなかった。

 ノコルの銃に装填されていた弾が世界的に主流の9ミリ弾だとすると、重さは約7.5グラムから約9.5グラム。憂助は別班として銃と弾丸の知識が豊富で、物の重さを10グラム単位で正確に測れるから、弾が2発以上入っていないことが分かっていたはずだ。

 また9話の予告映像では、ベキが憂助に対し「われらを欺き、おまえは別班として、ここに来た」と、怒声を浴びせていた。仲間4人の死亡が偽装だったことが発覚したのだろう。

 憂助は国益のためにベキを殺し、別班の使命を果たすのか。それとも父親・ベキの思想と信念に理解を示すのか。それが最終盤の最大の見どころになるはずだ。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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