フマキラー「虫博士」が伝授する“コバエ”対策…発生源「生ゴミ」の臭いを消す意外な方法
生ゴミを冷凍
さらに、観葉植物を買ってきても、根っ子にキノコバエの幼虫が入ってしまうことはあるので根絶は難しい。基本的に生ゴミをキレイに片づけていたら、外からのコバエの侵入は防げます。マンションの収集所に出した生ゴミも心配かもしれませんが、すぐ片付けられるので問題ありません。収集所のゴミの中で卵が増えても、コバエは成虫になるまでの期間がそれなりに長いため成虫が大量発生することはないでしょう。多くのコバエが成虫になるのにかかる時間は1週間から2週間で、ノミバエは1ヶ月。ただし、生ゴミから漏れた汁が乾かない状態が続いたうえに、ゴミ収集車が週に1回しか来ないとなると怪しくなります。
――コバエにとって快適な気候はどのようなものでしょうか?
コバエの生活にとって最適な温度は、25℃~30℃ぐらいです。35℃~40℃にひとつの“壁”があり、気温がそれ以上だと増えません。そして、ここからは人間の工夫次第になります。コバエは腐ったものに寄ってくるわけですが、お住まいのエリアによっては生ゴミを「燃えるゴミ」用の袋に入れて週2回しか出せないため、腐敗して臭いが発生することもあると思います。そこで、私の場合は自宅で生ゴミを“冷凍”し、臭いを出さないことを徹底しています。野菜のカスや果物の種は凍らせてしまえば臭いも発しませんし、そうすればコバエが家にも入ってこない。ゴミ袋に生ごみを入れておくだけでも、それなりに臭いは発するものです。だからこそ、色々な対処をしてください、と伝えています。私は最小限の対策商品しか使いませんし、一般の方に厳しい対策も求めません。あくまでも“ゴミはなるべく外に出してください。できないなら、凍らせてください。それに加えて、侵入防止剤を使うとほぼ入ってこないです”という程度です。カブトムシやクワガタなどの昆虫を室内で飼育しているとコバエの侵入を防ぐのは難しいですね。土や培養土があればコバエは寄ってきますから、捕獲器を飼育箱の近くに置いておきましょう。
羽ばたき防止成分
――コバエを個人宅に寄せ付けないために、他にできることはありますか?
実は、人間が出す生ゴミの量より、外にある生ゴミの方が 圧倒的に多いんですよ。コバエは簡単にアクセスできるところへ行きます。野生の果物が落ち、腐っているところや魚が死んで打ち上げられたところにコバエは発生します。人間が家の中で出す腐敗ゴミよりも量が多いので、室内の方が外よりも被害が多いと思う必要はありません。
なお、誘引剤が入った商品を使うと、外からコバエが家の中に入ってくると思う方もいるかもしれませんが、これらには生ゴミほどの誘引能力はありません。家に飛んできたコバエを生ゴミではなく、そちらに吸い寄せるレベルなので、「これを置いたからコバエが来てしまった」とは考えないで大丈夫です。
最後にコバエ対策商品の“進化”についてお話します。当社の「コバエワンプッシュ プレミアム」には「羽ばたき防止成分」が入っていて、かかった瞬間にコバエが落ちます。これは見た目で「効いた感」がありますね。キッチンで殺虫剤を使うのには抵抗感はあるでしょうが、ゴミ箱や袋の中に噴霧するとその中でコバエはバタバタと落ちていきます。薬剤が付着すると、卵や幼虫を殺せるうえに、後からコバエが来てもそこには産めないため、昔よりもコバエ対策は楽になったと思います。
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