「日本で革命を起こしたいです」 厚切りジェイソンの「正論」が受け入れられるワケ
ビジネスパーソンとしての常識的な感覚
日本のお笑いの世界にも国際化の波が押し寄せていて、外国籍の芸人や外国の血を引く芸人がどんどん増えている。その中でもここ数年、安定した人気を保っているのがアメリカ人の厚切りジェイソンである。
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彼は芸人のかたわら、ITベンチャー企業の役員としても働いている。タレントでありながらビジネスパーソンとしての常識的な感覚も持ちあわせていて、コメンテーターや講演家としても幅広く活動している。
「Nスタ」(TBS)に出演した際は、中古車販売会社・ビッグモーター社長の記者会見について「(問題の解決策を示せないなら)会見はまだ早かったんじゃないかと思います」と一刀両断するコメントを残した。
彼が2021年に出版した著書『ジェイソン流お金の増やし方』(ぴあ)はベストセラーになった。ここでは自身の節約術・投資術を赤裸々に公開していた。それをきっかけにしてマネー関連の仕事もどんどん増えてきている。
質問や相談への回答はどれも正論
厚切りジェイソンは2014年の年末に放送されたネタ番組で衝撃的なテレビデビューを飾り、2015年2月にはピン芸日本一を決める「R-1ぐらんぷり」(現「R-1グランプリ」)で決勝に進出した。
外国人目線で日本の漢字のおかしなところを指摘するネタと、その中で何度も絶叫する「WHY JAPANESE PEOPLE!?」というフレーズが話題になった。
2015年には初めての著書『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』(ぴあ)を出版した。その内容は、彼が一般人の悩み相談に答えるというものだった。実際、当時の厚切りジェイソンのSNSには、多くの人から質問や相談が寄せられていた。いかにも日本人らしいチマチマした悩みごとを、外国人ならではの視点でビシッとした答えを提示するのが痛快だった。著書は順調に増刷を重ねてロングセラーになった。
「仕事内容を教わりたいけど怖くて聞けない」という新社会人の悩みには、「さっさと聞け」と返す。「やりがいのない仕事から転職すべき?」という悩みには「やる意味のないことを続けていても意味がないよ」と返す。彼の回答はどれも正論そのもの。決して突飛なことを言っているわけではない。それが人気を博したのはなぜなのか?
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