失策11個はリーグワースト…それでも日ハムファンは「三塁手・清宮幸太郎」のポンポン姿を待ちわびている

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三塁でポンポン

「清宮の三塁? ちょっと後ろに下がりすぎかな」

 との他球団関係者のコメントも聞かれた。そのコメントの通り、三塁手としてすでに11個のエラーを記録していた。これは、リーグワーストである(9月5日時点)。

 しかし、清宮の三塁コンバートはチームに大きな可能性をもたらした。王柏融(30)が支配下選手に復帰し、アリエル・マルティネス(27)が捕手出場できないとき、彼らをスタメン起用させるには指名打者(以下=DH)か一塁しかない。清宮を一塁、DH以外で使え、野村も外野が守れるとなれば、打撃優先の超・強力なスターティングオーダーが組める。

「試合途中から清宮が一塁に入り、野村がサードに戻るときもあります。守備位置を固定しないのも、新庄野球です」(前出・同)

 清宮自身も三塁のポジションを気に入っているようだ。守備中の彼を見て分かったのだが、グローブから人差し指を出してカッコつけていた。一塁へのスローイングは正確だが、フットワークも軽快なわりには「大丈夫か?」と、いつもハラハラさせられてしまう。打球を処理するだけで盛り上がる三塁手は、清宮くらいだろう。

 清宮の守備でもう一つ。本拠地・エスコンフィールドは天然芝だ。シーズン序盤戦がとくにそうだったのだが、芝生の根がまだしっかり根付いていなかったのだろう。日本ハムナインはボール回しの途中などで芝生を踏んでいたが、その頃は一塁を守っていた清宮は違った。お行儀が良いからだろう。グローブを外し、しゃがんで左手でポン、ポンと押していた。

 そのシーンがSNSなどで拡散され、「清宮のポンポン、カワイイ」と、女性ファンからの書き込みも殺到した。三塁では「ポンポン」をやる暇もないくらい緊張しているようだが、その集中力が打撃にも好影響をあたえているのではないだろうか。

「僕たちはこんなもんじゃない! もっと目指すべきところがある」

 最下位脱出後、清宮はファンに向かってそう叫んだ。戦力は少しずつだが、整いつつあると言う新庄監督の言葉は本当だろう。あとは、三塁でポンポンをする余裕ができればいいのだが。

デイリー新潮編集部

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