日テレが8月の月間視聴率三冠王を16年ぶりに取りこぼす…視聴率戦争でテレ朝が圧倒的なリード 最大の敗因は?
WBCもテレ朝
「そうです。日テレは田中圭(39)、テレ朝は広瀬すず(25)をプロモーションのための広告塔に抜擢し、それぞれ生中継しました。ところが、日テレには運がありませんでした。日本代表の開幕戦は日テレが中継しましたが、ドイツに敗退。続く第2戦はテレ朝の中継で、格上のフィンランドに勝利するという奇跡を呼び込み、高視聴率を獲得しました。そのためテレ朝が中継した試合は、日本人選手が活躍したという印象が強く残りました」
ちなみに、日本戦の視聴率を比較すると、日テレも健闘していることがわかる。
●8月25日(金)21:10【日テレ】
日本63-81ドイツ 世帯8・2%、個人5・4%
●8月27日(日)21:10【テレ朝】
日本98-88フィンランド 世帯8・8%、個人5・8%
●8月29日(火)20:10【テレ朝】
日本89-109オーストラリア 世帯13・4%、個人9・0%
●8月31日(木)20:10【日テレ】
日本86-77ベネズエラ 世帯14・2%、個人9・5%
●9月2日(土)20:10【テレ朝】
日本80-71カーボベルデ 世帯22・9%、個人15・3%
「やはりパリ五輪行きを決めたカーボベルデ戦は注目度が抜群でした。48年ぶりとなる自力でのオリンピック出場という歴史的快挙を、テレ朝が生中継できたことは大きいでしょう」
とはいえ、カーボベルデ戦は9月だった。
「9月にもテレ朝の勢いは反映されるということです。思えば、今年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)はテレ朝とTBSの中継でした。WBCで最も数字を取ったのは決勝のアメリカ戦ではなく、国内最終戦となった準々決勝のイタリア戦でした。中継されたのは午後7時からのゴールデン・プライム帯だったので、世帯48・0%、個人31・2%を記録。これも放送したのはテレ朝でした。このため今年の年間視聴率は、春先からテレ朝が日テレを大きくリードしていたのです。日テレはなんとか巻き返そうとやって来たのですが、8月にまた差をつけられてしまったわけです」
WBC以外にも、ここ数年はスポーツの国際大会がオバケ的な視聴率を叩き出している。
「ですから日テレは、9月8日に開幕するラグビーW杯の放映権を獲得しました」
ラグビーW杯は前回(19年)、前々回(15年)も日本代表が活躍した。
「今大会も同じような成績を残せば、日テレがテレ朝に追いつく可能性はゼロではありません」
確かに、前回の19年大会では、決勝トーナメント進出を決めたスコットランド戦を日テレが中継し、世帯視聴率39・2%を記録している。ただし、今大会は日テレだけでなくNHKも地上波とBSで中継するというのがちょっと気になる……。