日テレが8月の月間視聴率三冠王を16年ぶりに取りこぼす…視聴率戦争でテレ朝が圧倒的なリード 最大の敗因は?
視聴率を巡って鎬を削る日本テレビとテレビ朝日。言うまでもないが、視聴率の年間三冠王は、月間三冠王の積み重ねで決まる。中でも日テレは、毎年8月を稼ぎ時としてきた。ところが今年、その牙城が崩れた。なんと16年ぶりとのことだ。
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ビデオリサーチが調査する関東地区の視聴率には「個人」と「世帯」がある。個人視聴率はテレビを所有する世帯内で誰が何人でテレビを視聴していたかを示す推定値、世帯視聴率はどれくらいの世帯がテレビを視聴していたかを示す推定値で、どちらかといえば個人のほうがシビアな数字になる。
昨年(22年1月3日~23年1月1日)の年間「個人」視聴率は、日テレが12年連続で、全日(6~24時)、ゴールデン(19~22時)、プライム(19~23時)の時間帯で首位となる三冠を獲得したものの、プライムではテレ朝も同率首位だった。
続いて昨年度(22年4月4日~23年4月2日)の年度「個人」視聴率は、日テレが全日とゴールデンで二冠、テレ朝が全日とプライムで二冠。つまり、テレ朝が全日でも日テレに追いついた。ちなみに、テレ朝は昨年度の「世帯」視聴率で、開局以来初となる三冠を獲得している。
そして今年8月の月間「個人」視聴率は、日テレは全日とゴールデンで二冠を制し、テレ朝は全日とプライムで同じく二冠となった。日テレ関係者は言う。
「日テレは毎年8月に視聴率を稼いできました。その8月で三冠を取りこぼしたのは2007年以来ですから、実に16年ぶりとなります」
何があったのだろう。
ジャニーズ問題
「まず、今年の『24時間テレビ』(8月26~27日)が低調に終わったことです。46回目となる今年の平均世帯視聴率11・3%は歴代35位、個人平均も歴代25位の6・6%という残念な結果に終わりました」
デイリー新潮は8月30日配信の「24時間テレビの低視聴率に日テレ社内はお通夜状態 募金額も激減 『マラソンも予定調和だった』」で、低調に終わった理由を分析している。
「いまだ収束しないジャニー喜多川氏(1931~2019)による性加害問題が、視聴率に大きく影響したと考えられます。ニュース番組で毎日のように取り上げられているため、ジャニーズファンは確実に減っています。そんな中、日テレは、03年以来、毎年、ジャニーズ事務所のアイドルを『24時間テレビ』のメインパーソナリティーに起用してきました。今年は若返りを図って、なにわ男子をキャスティング。番組テーマに“子供の未来”を加えたものの、これがかえって裏目に出て、ジャニーズ色の強い『24時間テレビ』に視聴者は不快感を抱いたようです。8月29日にはジャニーズ事務所の再発防止特別チームが記者会見を行い、ジャニー喜多川氏による性加害を認定しました。この会見が『24時間テレビ』の放送前に行われていたら、もっと酷いことになっていたでしょうね」
他にも敗因はあるという。
「もうひとつは、パリ五輪の出場権を獲得した男子バスケットボールW杯です」
1次ラウンドを中継したのは、日テレとテレ朝だったはずだが。
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