二階堂ふみがミステリーハンターに…「ふしぎ発見」と「VIVANT」の“モンゴルコラボ”で判明した撮影秘話とは

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「ふしぎ発見!」では濱田もモンゴルへ

 さらに、二階堂のほかに警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・東条翔太役の濱田岳(35)もミステリーハンターを務める。濱田はドラマでは東京編にしか出演しないため、「まさか僕もモンゴルに来られるとは」と大喜びだった。ドラマでの濱田の出演部分は、コラボが決まる前に早々と撮影が済んでいたのだ。

 濱田は「ふしぎ発見!」のスタッフと同国入り。ロケ場所は二階堂と濱田の興味を優先して決められた。2人はまずウランバートルのナラントゥール市場へ。同国で最大の青空市場だ。現地の技術スタッフらがよく通う地元の台所ということで、二階堂が取材を希望した。

「なんでもある市場です」(同・小堺ディレクター)

 そこから二階堂は同国の文化に欠かせないシャーマン(神や精霊との交信者)のところへ向かった。同国のシャーマニズム文化は約5000年の歴史があると伝えられている。

「モンゴルの方は迷いがあったり、不調が続いたりすると、シャーマンを訪ねるんです。それが生活に根付いています」(同・小堺ディレクター)

 二階堂は同国の全般的な印象について「動物がゆったりと暮らしている」と語っていた。人や自然より先に動物が出てくることに首を捻る人もいるかも知れないが、本人にとっては大切なことなのだ。二階堂は保護犬と暮らすなど動物愛護の気持ちが強い。

 濱田は騎射(騎上から弓で矢を射ること)の先生に入門。日本の流鏑馬の同国版である。チンギス・ハンが大帝国を築き上げられたベースには騎馬軍団の騎射があった。

 乗馬の未経験者だったら至難だったろうが、濱田は「軍師勘兵衛」(2014年)、「麒麟がくる」(2021年)と2つのNHK大河ドラマに出演しているため、経験があった。それでも心優しい濱田は事前に小堺ディレクターに対し「僕はお馬さんに乗せてくださいとお願いするような低姿勢でいこうと思うんです」と心構えを話していた。

 もっとも、それを許さなかったのが弟子入りした先生。「低姿勢じゃダメだ。馬に舐められる」と厳命し、半ば強引に乗馬させられた。それが良かったのか、勝手が違う同国の馬にもすんなりと乗れたという。

 ほかにも2人はドラマでもテーマになった地下資源、伝統舞踊を紹介する。

 堺、阿部、二階堂は「VIVANT」についても語ったが、「全部見どころ」と口を揃えたという。自信があるのだろう。

「セットとかCGの合成映像では出せない雄大な感じが、画面から贅沢に溢れ出てくると仰っていました」(同・小堺ディレクター)

 一方、二階堂が憧れたミステリーハンターは今も希望者が多い。番組側がこのほど一部の芸能事務所を対象に募集を行ったところ、その情報がほかの事務所にも広まり、瞬く間に約1000人からの応募があった。

 時代に流されず、オーソドックスなスタイルを貫いているところがいいのではないか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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