「日本語はいつも間違えていますが…」バスケ・ホーバス監督が語った金言 渡邊雄太、比江島慎の知られざる素顔とは?

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「まるで大谷翔平選手」

 買い物に来た富永は現在、アメリカのネブラスカ大学に所属し、NBAを目指す若手のホープである。

 最終戦の後には富永を巡り、ほほ笑ましい一幕も。現地記者が明かす。

「お客さんが会場から出た後、関係者と選手の撮影タイムがあったんです。渡邊選手とテレ朝の中継に出演していた広瀬すずさんがメディア用の写真を撮り終え、広瀬さんが帰ろうとしたとき、他の選手が“いいのか、富永!”と茶々を入れ、二人で写真を撮ってもらっていました。富永選手は広瀬さんの大ファン。とてもうれしそうでした」

 大会に帯同した日本代表アシスタントコーチで宇都宮ブレックス・ヘッドコーチの佐々宜央(さっさのりお)氏はチームの雰囲気について、こう語る。

「ホーバス監督の方針で自由時間の外出に制限はありませんでした。ホテルの食事会場にはさまざまな国の料理が用意され、基本はそこで食べるのですが、日本の選手は時々、近くのレストランやステーキ屋、しゃぶしゃぶなどの店に行き、酒抜きの食事でリフレッシュしていた。ホーバス監督も食べるのが好きで、ホテル付近でタコスやケーキ、ハンバーガーなどを買ってくると喜んでいました」

 自由な分、選手には責任が求められた。

「体のケアをしていた渡邊選手はトレーナーからつきっきりでマッサージを受けていて、そこにチームメイトが来て、コミュニケーションを図っていました。河村選手はオフに練習するほどストイック。その分、睡眠を長い時間とっていて、まるで大谷翔平選手のようでした」(同)

パリ五輪への課題は?

 チームの課題について、バスケットボールアナリストの佐々木クリス氏は、

「前回W杯より日本が3Pを放つ回数が1試合あたり14本近く増えていて、3Pを効果的に活用しようという方針が実現されていました。一方で決定率は大会を通じて31.3%。これはホーバス監督が掲げている40%には遠く及ばない。歴史的逆転劇になったフィンランド戦とベネズエラ戦は40%近い確率になっており、パリ五輪への課題といえるでしょう」

 五輪出場決定後、1992年に発売された『スラムダンク』9巻に作者の井上雄彦氏が記していた文章がSNSなどで拡散され、話題を呼んだ。

〈次は日本チームの五輪出場が見たい。「スラムダンクを読んでバスケを始めた。」という子供たちが、大きくなってやってくれたら…………オレは泣くぞ。〉

 31年越しにかなった念願。来年のパリ五輪では、さらなる涙を誘う試合を演じてくれるに違いあるまい。

週刊新潮 2023年9月14日号掲載

特集「リアル『スラムダンク』! 『バスケW杯』の裏側」より

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