「これは侮辱でありいじめ」…香港出身のスター歌手が残した衝撃告白 中国の人気オーディション番組を放送中止に追い込んだ深刻トラブルとは
放送された2023年度でも“奇妙なアクシデント”
番組側は「ココさんとはすでに和解していた」とする声明を発表したが、火消しの効果はなかった。これまでの生徒たちが口を開き始めたからだ。
“転倒事件”でデュエットの相手だった生徒は、番組側の指示通りに動いたところ、振り返るとココさんが転倒していたと告白した。隣に立つことを知らなかった理由は、番組側からその予定を知らされず、収録現場に到着すると番組側にスマートフォンを没収されたからだという。
別の年度の生徒からは「勝ち残るためには金銭が必要」「不当な契約書に署名を強要された」といった生々しい暴露もあり、番組全体に問題があるという見方が強まった。並行して芸能界からも、ココさんのトラブルに関する詳細な調査とフェアな番組運営を求める声が相次いだ。
「7月28日から放送が始まっていた2023年度でも、合格ボタンを押そうとしなかった講師の椅子が突然回転するという“アクシデント”が発生しました。数年前に講師を務めた香港の男性歌手が、当時出演した香港のテレビ番組で『(スタッフから合格の)ボタンを押せと言われた』と語ったこともあります」
番組制作会社の親会社は香港市場に上場しているが、騒動を受けて株価が急落し、8月22日には市場価値が半分になった。放送局の浙江衛視は、21日の謝罪声明に続いて25日に放送中止を発表。番組はこのままお蔵入りする可能性があるとみられている。同局はココさんのトラブルに関する調査を実施するというが、2019年に別番組で収録中の芸能人が死亡するなど出演者の事故が多発しており、局の姿勢を問題視する声も増加中だ。
今回流出したココさんの音声では、乳がんの治療を優先するため、医師に出演を止められていたことも明らかになった。満身創痍でも出演した理由は、歌手デビューを夢見る若者たちに対する責任感だったという。プロ意識と愛情にあふれた大スターの悲痛な訴えを、番組と局側は今度こそ本気で受け止めるだろうか。