「嫌がるメスを無理やり交尾させ…」「大量生産して売れ残ったら里親に譲渡」 元社員が明かすペットショップ「クーアンドリク」凄絶な繁殖現場の実態
「生体販売を禁止しない限り…」
動物愛護活動で知られる「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」代表の杉本彩氏は、実状を聞いて憤りを隠さない。
「動物虐待そのものです。やるせないのは、今の動愛法ではこの凄惨な状況を取り締まれないところ。『パピーミル(子犬工場)』による大量生産を何ら規制していないのです。フランスのように日本も生体販売を禁止しない限り、こうした倫理観にもとるビジネスがなくなることはありません」
クーリクに質した。まず顧客とのトラブル。東久留米店でのパルボウイルス感染の件は「協議進行中」としながら、その他の件は、
「すでに解決済みと認識しております」
続いて、遺伝子異常の犬を繁殖に用いていること、繁殖場にゴキブリやネズミが大量発生していること、嫌がる犬を無理やり交配させていることや、店舗での糞尿始末の不備に関しては、
「ご指摘の事実はございません」と否定した。
D犬率の推移を記した内部資料は、その存在自体を否定。“大量生産”の件は、
「施設を増やし、個別に愛情をもって飼養できる環境整備をしております。施設数を増やしたことを大量生産とする表現は、事実誤認であり誇大表現です」
譲渡の問題についても、
「動物取扱業は対面販売、対面説明が求められており、ご指摘のような欺く行為は不可能で、事実誤認です」
コールセンターへの入電数は1日300~400件あるものの、クレームは1%程度だとし、パルボウイルス感染は「根絶に努めておりますが、年間数件の発生がある」と回答した。
犬猫を「繁殖」させ「売り買い」するビジネスの、見過ごされてきた冷酷な一面があらわになりつつある。
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