「嫌がるメスを無理やり交尾させ…」「大量生産して売れ残ったら里親に譲渡」 元社員が明かすペットショップ「クーアンドリク」凄絶な繁殖現場の実態
片付けなかった糞を食べてしまうことも
なお、店舗のほうの管理体制もめちゃくちゃで、前出の店長いわく、
「常に人手が足りていないのでワンオペになることも多く、片付けなかった糞を気付いたら犬が食べていたケースもあった」
現役社員のこんな話も。
「今年3月には掛川店(静岡県)、金沢店(石川県)、サンパークあじす店(山口県)、京都店(京都府)でパルボウイルスが立て続けに発生しました」
店頭に並ぶ前に遺伝子異常が見つかることもある。その際はどうするのか。
「『譲渡事業』に回されます。客に一度売られたものの、問題が生じて戻ってきた犬猫や、高齢などの理由で繁殖できなくなった引退犬も同様です」(X氏)
クーリクのホームページの「里親募集」コーナーに、こんな文言がある。
〈ワンちゃん・ネコちゃんとの出会いも私たちの人生を豊かにしてくれる、大切な人生の一部です。そんな素敵な出会いを提供することこそ、弊社の役割だと考えております。その為にCoo&RIKUに出来ることの1つとして譲渡活動を行なっています〉
あたかも保護犬を引き取ってボランティア活動に励んでいるかのようだが、譲渡の実態はX氏の証言のとおり。儲けありきで大量生産した結果として生じた個体を“余り物”よろしく、善意の第三者に押し付けようとしているのだ。
「いたたまれなかった」業務
X氏が勤務中に「いたたまれなくて仕方なかった」と振り返る業務がある。
「産まれたばかりの、まだ目も開いていない赤ちゃんを母親から引き離し、リボンをつけて写真に撮って、売るためにホームページに載せる作業です。動物愛護管理法では出生後56日を過ぎないと販売できませんが、こうして早いうちから予約を受け付けます。3万円の内金まで取って……。生きるか死ぬかで頑張っている赤ちゃんに、ここまでさせるものかと」
なお、X氏は「われわれも犬猫同様とまでは言いませんが、あまりの扱いを受けていた」と打ち明ける。
「会社に健康診断がないんです。給与システムもめちゃくちゃで、ひどい人だと基本給15万円程度。プラス残業代もみなしで月3万円くらいしかつきません」
社員に健康診断を受けさせないのは、歴とした労働安全衛生法違反である。
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