「3泊5日・67万円」で大炎上! 港区立中学校「シンガポール修学旅行」 関係者が明かした「費用の内訳と保護者への気配り」

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「LCCや安ホテルは不安」

 港区関係者がこう本音を明かす。

「予算の7~8割を占めるとされる飛行機代と宿泊費を抑えるのは簡単ではありません。LCCや安いホテルを使うと、生徒の親御さんたちから不安の声が上がるのは必至。予算を削減するにしても、生徒たちの“安心・安全を担保する”という前提条件はクリアしないといけない。もちろん保護者たちの納得をえる必要もあり、いまのところ飛行機はJALやANAといった主要航空会社を利用し、宿泊先もいわゆるシティホテルを想定していると聞きます」

 シンガポールの高級ホテルのなかには1泊5万円を超えるところも珍しくないが「常識的な宿泊代の範囲内におさめる予定」(同)という。港区の今年度の予算案を見ると、全体の歳入額は約1632億円。修学旅行費が5億から4億円に減ろうと大きな影響はないが、保護者たちの意向は無視できないという。

 実は公立中学校の修学旅行先が海外だったケースは過去にもあり、1990年代にはオーストラリアやニュージーランド、韓国、中国などへの修学旅行が活発化。背景には円高の影響があったが、20年以上前には和歌山県の町立中学校が修学旅行でシンガポールへ行ったケースもある。

「ただし、エリア内のすべての公立中学校で海外修学旅行が実施されるのは今回が初めてといいます。“カネがあるんだから、子供に貴重な体験をさせるのはいいことだ”との声がある一方で、コミュニケーションや英会話の基礎能力などで、すでに港区の子供たちは他地域の同年代より優位に立っているとの指摘もある。財政に余裕がある自治体とそうでない自治体間で、義務教育年齢の子供に“教育格差”が生まれつつあるのは否定できません」(教育ジャーナリスト)

 これを「不公平」と取るか、「時代の趨勢」と捉えるかで、今回のニュースに対する見方も変わってくる。

デイリー新潮編集部

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