栗山監督なら無事だった? 大谷翔平の故障は誰のせいか マドン前監督も驚いた過酷労働
世界中のベースボールファンがため息を漏らしたのではないだろうか。キャリアハイのシーズンを歩んでいた大谷翔平(29)が右肘を故障。「二刀流」ストップに追い込まれた。栗山監督なら無事だった!? 球界の至宝を壊したのは所属チームか、それとも……。
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【写真8枚】ケガの影響を感じさせない、大谷の「鋭すぎるバッティング」 画像を見る限り、打者の仕事には影響が無さそうにも見えるが
この8月1日、本誌(「週刊新潮」)はロサンゼルス・エンゼルスのジョー・マドン前監督にインタビューを行った。
その頃の大谷は満身創痍。7月28日(日本時間)にはダブルヘッダーに出場し、投手としては1試合目に完封。打者としては2試合目に2本塁打。しかし酷使がたたったのか、全身のけいれんで途中交代し、その翌日も両ふくらはぎのけいれんで交代を余儀なくされていた。
「ダブルヘッダーの2試合目は休むのかな、と思っていたから驚いたよ」
と語ったマドン。
「本人が問題ないと言って出場したのだろうが、それ以上にチームが今、プレーオフに出られるかどうか微妙なところにいるから、多少は無理をしても貢献したいという思いがあったのではないか。翔平という男を知っていれば、その結論にたどり着くのは難しくない」
チームのために過酷労働――それは恩師の目から見ても明らかだったのだ。
時に涙ぐむ“重い”会見に
それからひと月たたない8月24日、ついに彼の体はSOSを発した。
この日、ダブルヘッダーの1戦目に先発した大谷は、1回を三者凡退に抑え、その裏には打者として44号本塁打を放ったものの、直後の2回、3人目の打者の途中でベンチを呼び、突如、降板。打者としても試合から退いたのだ。
「いつもであれば、大谷選手は登板した後、記者の質問に答える。しかしこの日はそれがなかったんです」
とは、在米スポーツライターの杉浦大介氏。
「チームからは“疲労”との発表がありましたが、何かあったな、と思いました」
しかし2試合目も大谷はDHとして試合に出た。
「しかもヒットを打ったりしたので、大事には至らなかったのかな、と。ただ試合後、監督は“翔平のことは話さない”。そしてその後に出てきたGMが“右肘損傷”を発表した。記者の間には衝撃が走りましたね。GMはお喋り好きで明るい人。でもこの時は言葉に詰まり、時に涙ぐむ“重い”会見となりました」
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