受刑者を「さん付け」にすることにした名古屋刑務所で、刑務官がバールで殴られて全治84日の重傷事件勃発
「全治84日」の重傷
暴行はもちろん許されないのだろうが、かといって「さん付け」にすることが良いのか。
「懸念されるのが、矯正施設としての体を成さないのではないかということですね。ただでさえ、無料で雨風をしのげる施設だと刑務所を捉えて服役しては舞い戻ってくるという人たちが一定程度いる中で、“さん付け”などで居心地の良さを実感するようになれば、それに拍車がかかりかねませんね」(同)
ネット上などでは、そもそも刑務所は居心地の悪い場所であるべきだろう、といった声も少なくない。もちろん刑務所側もそういう世論は承知のうえだろうが、何せ自分たちの不祥事が原因なので、第3者委員会の提言を無視することは当然できない。
もっとも、「さん付け」反対論に追い風となるような事件も判明している。
名古屋刑務所の50代の受刑者が刑務作業中に刑務官をバールで殴り、「全治84日」の重傷を負わせ、8月25日に送検されたことが報じられたのだ。事件そのものは「さん付け」スタートよりも前で、刑務官の指示が気に食わなかったことが犯行の動機だという。こういう受刑者を丁重に扱えばトラブルは減るのだろうか。