「水分不足で老化加速、早期死亡リスク増」米研究所が発表のデータ 食事で取るべき? 飲み物で取るべき?
脱水を治すための即効性のある唯一の飲料
よく食べる高齢者ほど健康寿命が長い。栄養面だけではなく、水分補給という面でも食事は重要だったのである。
「65歳以上の高齢者は筋肉量の低下などによって体の体液量が成人に比べて10%少なくなっています。その上、夏には暑さという要素も加わり、熱中症で命を落とす危険性がある」
谷口氏はそう指摘する。
「高齢者は暑さに鈍感で寒さに敏感になるので、クーラーが嫌だという人が多い。でも熱中症予防のためには防寒対策をしてでもクーラーをつけてほしい。私たちは冷たい飲み物を飲むより、実は、冷たい空気を吸った方が体温が下がりやすいのです」
それでも万が一、熱中症のような症状が出た場合は、
「経口補水液を飲むのがいい。経口補水液は脱水を治すための即効性のある唯一の飲料ですから。市販されている『OS-1』を2、3本家に置いておくのがいいと思います。ただ、脱水の症状がない時は飲まない方がいい。日常的な飲み物と非日常的な飲み物は分けて考える必要があり、経口補水液は非日常的な飲み物であることを覚えておいてほしいと思います」
生まれてから死ぬまでわれわれと常に共にある水分。その「常識」は、意外に知られていないのだ。
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