「京アニ事件」初公判で明かされた「青葉被告」の歪な成育歴 “ゴミ屋敷での極貧生活”“小学生時代から万引き常習”“下着泥棒で逮捕”の転落人生

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担任の先生が「おい、青葉を知らないか?」

 ほどなくして青葉容疑者の両親は離婚し、きょうだい3人と父親の暮らしが始まる。中学時代の様子について、彼と同じ柔道部に所属していた同級生はこう話す。

「2歳年上のお兄さんが柔道部の部長だったせいか、本人はかなり威張っていた印象です。練習熱心な割に強くはないんですが、サボっている同級生に“なんで練習に来ないんだよ”と注意してくる。あと、乱取り稽古で得意技の内股をかけるときに、相手の金的を勢いよく蹴り上げるんですね。金的への攻撃は反則技なので練習相手と揉めることもしばしば。誰も青葉と組み手をしたがらなかった」

 青葉容疑者はこの中学校を途中で「転校」するのだが、

「担任の先生がホームルームで“おい、青葉を知らないか?”と生徒たちに聞いたんです。みんなキョトンとしていましたよ。学校にも知らせず、突然いなくなったという感じです。仲の良い友だちもおらず、結局、どこへ転校したのかも分からずじまいだった」(同)

 人知れず埼玉県内の別の中学へと移った青葉容疑者だったが、次第に学校から足が遠のき、当時の同級生は卒業アルバムの写真(掲載)を見ても「ほとんど記憶にない」と口を揃えるのだ。

 中学を卒業すると流転の人生に拍車がかかる。

 埼玉県内の定時制高校に通いながら、県庁の文書課で文書の集配をする非常勤職員として働いた青葉容疑者。

 その後、職を転々とするうちに、「タクシー運転手だった父親が事故でケガをして廃業に追いこまれ、まもなく自殺した」(当時の自宅の近隣住民)という。

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