「裏切ると“報復部隊”が実家に」「金庫番の報酬は500万円」「情報屋は野放し」 ルフィ事件・捜査最前線はここまで進んでいた!
情報屋を逮捕しても「強盗の共謀共同正犯に問えない」
情報屋に関し、元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏に補足してもらうと、
「現在の犯罪の手口は巧妙化が著しく、セクション別に細かい分業体制を取るようになっています。情報屋もそのひとつ。彼らは不動産投資家などの詳細な個人情報を集めた名簿を持っており、特殊詐欺犯や強盗犯はその情報を用いてターゲットを定めている。情報屋を捕まえることが捜査上は重要なのです」
名簿には標的となる家の間取りや家族構成、店内にどれほど監視カメラがあるか、金庫に大金が保管されているか、などのデータまで収められているという。情報屋こそ諸悪の根源で、摘発しないかぎり、第2、第3のルフィ事件が後を絶たないだろう。だが、コトはそう簡単ではない、と表情を曇らせるのはある警察庁幹部だ。
「情報屋の所在をつかむのは極めて難しく、また、せいぜい個人情報保護法違反の罪に問えるくらい。逮捕したところで“名簿や情報が何に使われるのか知らなかった”と主張されてしまうと、強盗の共謀共同正犯に問うことなどできない」
ルフィらが逮捕された後も各地で強盗事件が頻発している理由はここにある。
中東系の大男が実家に現れ…
また捜査の網をかいくぐり続けているのは情報屋だけではないという。
「ルフィらは闇バイトで集めた連中に免許証などの画像をスマホで送らせ、実家の住所を把握していた。グループから足抜けしようとするメンバーを“お前の身元や家族の居場所も分かっている”と脅すため。そうした脅迫の際の手足となる“報復部隊”まで雇っていたんです」(同)
実際、“報復部隊”に心理的圧迫をかけられ、恐怖心から犯罪に加担した者がいるという。
「ルフィの指示で、実行犯らの取りまとめや現地への引率、犯行に使うモンキーレンチや結束バンドなど道具の購入・用意、盗品の換金処分やその後の報酬の分配など後方支援全般を担った大古健太郎(34)という男がいます。こいつは、“自分が一度グループを抜けようとしたら、ひげを生やした中東系のような風貌の大男が大阪の実家に現れた。(イスラム原理主義組織『アル・カーイダ』を率いた)オサマ・ビンラディンのような不気味さで、母親が脅された。だから抜けることはできなかった”と話しています」(同)
9月7日発売の「週刊新潮」では、独自に入手した資料から浮かび上がった、共犯者らの関係性、金の流れについて6ページにわたって詳報する。