ホットドッグを食べると寿命が36分縮む? 逆に延びる食べ物は? ミシガン大が研究した48食品リスト

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「負の最強の組み合わせ」

 健康寿命が得られる物としては、先述したナッツだけではなく、豆類、果物、野菜などもある。例えば、生のリンゴでプラス13.5分、サーモンのソテーでプラス16分、豆入りご飯でプラス13.8分。

「マイナスの物を食べる時は、同時にプラスの物も食べると良いのですが、実際には難しい場合も多いと思います。例えばファストフード店でハンバーガーを食べる時、ボウルに入ったサラダと一緒にということはあまりないはずです。大抵、ポテトフライにコーラ、といった組み合わせになります。超加工食品を食べる時、組み合わせる物も超加工食品になることが多いのです」

 超加工食品とは、ファストフードや、スーパーなどで売られている総菜、インスタント食品や菓子パンといった、加工の程度が高い食品のこと。コーラやソーダなどの清涼飲料水も含まれる。

「コーラはマイナス12.5分なので、ホットドッグとコーラは負の最強の組み合わせといえます。それだけで健康寿命が48.5分失われます」

 大西氏が続けて話す。

「超加工食品には、人工甘味料を含む食品添加物など、自然界に存在しない成分がたくさん含まれています。また、自然界の食べ物では、油・脂肪と糖分が混じり合っているものは少ない。お肉などには脂肪はあるものの、糖分は入っていません。しかし、加工すると、脂肪と糖分を混ぜ合わせることができる。そして、この組み合わせが依存性を高めるのです」(同)

健康寿命を48分延ばす方法

 件の論文では次のような提案もなされている。

「1日の摂取カロリーの10%を牛肉や加工肉から、全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、豆類、厳選した魚介類に置き換えるだけで、健康寿命を48分延ばせる、としています」

 大西氏はこう語る。

「同じ炭水化物を取るにしても、なるべく健康寿命を延ばす炭水化物に置き換えていきましょう、という提案ですね。肉を食べるなら、ハムなどの加工肉でなく、生の豚肉などを自分で買ってきて調理するだけでも、だいぶ違うと思います」

 ホットドッグで36分マイナス。この数字を常に頭の片隅に置いておけば、ファストフード店やコンビニに行く頻度を減らせるのではないか。

週刊新潮 2023年8月31日号掲載

特集「知らないと防げない これで『寿命が縮む』 『食』『水』『怒り』編」より

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