処理水問題で岸田首相が助けを求めた人も役立たずで…専門家が指摘する”日本が突くべき中国政府の急所”

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 時事通信は9月4日、「二階氏訪中、処理水で暗礁 首相期待も早期は困難」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。この問題は、そもそもテレビ東京のスクープ記事から始まった。テレ東BIZが8月30日、「【独自】岸田総理が二階氏に訪中要請」との記事を配信したのだ。

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【独自】はテレビ東京のスクープを意味し、この記事もYAHOO!ニュースのトピックスに転載された。

 岸田文雄首相(66)は30日、自民党本部で二階俊博元幹事長(84)と会談。テレ東の記事によると、福島第一原子力発電所で始まった処理水の海洋放出に中国が反発していることから、岸田首相は二階氏に事態打開のため訪中を要請したという。

《岸田総理は「中国側と話せるのは二階元幹事長しかいない。ぜひ中国を訪問してほしい」と要請した》(テレ東BIZの記事より)

 翌31日、松野博一官房長官(60)は会見で「会談が行われたことは承知している」と回答。しかし、本当に要請があったかどうかについては、「詳細についてコメントすることは差し控えさせていただきます」と述べるにとどめた。

 そして時事通信が《二階氏の周囲からは「中国側が気持ちよく受け入れられる状況ではない」「今は時機ではない」との悲観論が相次いだ》と、打ち消しの報道を行った。

 2007年に中国から日本に帰化した評論家・石平(せきへい)氏は「これまで何人もの親中派の国会議員が特使として中国を訪問しました。しかし、何の成果も上げられなかったことは、過去の事例からも明らかです」と指摘する。

「中国は国家の方針として“処理水”を“汚染水”と決めつけ、日本産水産物の輸入を停止しました。二階さんの説得で中国が考えを改め、『呼称は処理水とし、輸入も再開します』と方針を一変させたら、全世界が『中国の主張はウソだった』と呆れるに違いありません。そんなことを中国がするはずもなく、二階さんの訪中が実現したとしても、方針は何も変わらないでしょう」

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