なぜマフラーにコート姿なのか…暑すぎる夏に放送された「シッコウ!!」の不運

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 火曜日のドラマがなぜか熱い。いや、暑苦しい。そのひとつが、午後9時からの「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレビ朝日)。さらに、午後10時からの「しずかちゃんとパパ」(NHK総合)も加わったものだから、もう暑くて暑くて……。ただし、暑苦しいのは役者たちの演技ではなく――。

 ***

 伊藤沙莉(29)主演の「シッコウ!!」は、あの織田裕二(55)がワキに回ったことで注目を集めた。7月4日放送の初回視聴率は9・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と、今期のドラマではトップ(11・5%)の日曜劇場「VIVANT」(TBS)、2位(10・5%)の木曜ドラマ「ハヤブサ消防団(テレ朝)に次ぐ好スタートを切った。民放プロデューサーは言う。

「同じ火曜9時の前作『unknown』(主演:高畑充希、田中圭)が最高7・6%、平均6・2%だったのので、それを大きく上回りました。伊藤&織田のコンビに犬が絡む展開も評判が良く、第2話以降、二桁の視聴率は固いと思われました」

 ところが、回を重ねるごとに数字は落ちている。

「この夏の歴史的酷暑に反比例するかのように、数字が落ち続けています。第6話は6・8%と最低記録で、直近の第7話も同率でした。とにかく見ていて暑苦しいのです。それは演技や演出が暑苦しいというのではなく、出演者がみんな冬服、しかも真冬の服装のせいです」

 確かに、伊藤は毛糸のセーターを着込んでマフラーを巻き、手袋までしているし、織田はウールのコートを纏っている。他の出演者も、多くがコート姿だ。

「まさか『踊る大捜査線』(フジテレビ)のイメージで、どうしても織田にコートを着させたかったのかとまで考えてしまいました。伊藤の冬物は可愛さを引き立てていますが、気になり始めるとやはりこっちまで暑苦しくなってきます」

 敢えてこんな演出をしたのだろうか。

伊藤&織田のブッキングに喜んで

「テレビマンなら“季節感は最も大事な要素のひとつ”と駆け出しの頃から叩き込まれるものです。例えば、4月期のドラマなら2月くらいから撮影が始まります。ロケの際、待ち時間はダウンジャケットを羽織って手にはカイロでも、いざ本番となれば薄手の春服で撮影に臨むというのが常識です。もちろん衣装部やスタイリストとも入念に打ち合せをします。こんな酷暑にガマン大会のような演出をするとは考えにくいのです」

 ではなぜ、真夏の冬服ドラマは生まれたのか。

「実は『シッコウ!!』の撮影は厳冬期に行われました。通常より早く撮影に入ったため、業界でもさまざまな推測が流れました。一説では、伊藤がNHKの朝ドラ『虎に翼』のヒロインに抜擢されたからではないかと噂されました。しかし、朝ドラは来年4月スタートなので、いくら何でも早すぎます。もうひとつ、まことしやかに言われていたのが、織田の『世界陸上』(TBS)復活説でした。とはいえ、昨年の『世界陸上』で番組卒業を宣言していたのでこれもない」

 真相は?

「まだコロナ禍の中、伊藤&織田という垂涎のブッキングが成立し、万が一、コロナがまた流行ってしまった場合を考え、2人のスケジュールがあるうちに撮ってしまえとなったのだと思います」

次ページ:2作連続の冬服ドラマ

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。