【男子バスケ五輪出場】トム・ホーバス監督が語った「私があえて日本語で指導する」理由

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タイムアウトで戦術の話はほとんどしない

 オリンピックレベルの大会だと、他の国の選手たちもみんな強いですよね。そこで私が選手たちにいつも伝えているのは、「気持ちで負けたら絶対に試合も負けるよ」ということです。日本人選手は背が低いこともあり、毎試合、40分間、少しでも気持ちが下がると良くないのです。

 決勝のアメリカ戦に関しても、とにかくみんなのテンションを上げたかった。日本が5点差までつめることができたら、向こうはプレッシャーを感じると思っていましたから、「自分のプレーだけじゃなくて、もっともっと広く見て! ちゃんとうちのバスケを綺麗にやったら勝つよ! 点数が近くなったらアメリカは絶対下手になるよ! もうちょっと行こうよ!」と声をかけていました。最後の5分くらいでベンチメンバーを出したのですが、フランス戦に比べてすごく良くなっていました。

 バスケはタイムアウトの時間が1分しかありません。オリンピックの時は1分のうち、エナジーが足りないとか、雰囲気が良くないという話に45秒ほど割いていました。戦術の話は最後の15秒だけ。「オフェンスはこれ、ディフェンスはこれ。みんな分かってる?」「はい、大丈夫でーす」。本当にこれだけでした。他の監督が作戦ボードを使っている意味が分からないです。練習中にやることをなぜ試合中にやるのでしょうか。それに、オリンピックはカメラがたくさんあって気が散りがちになるので、集中力が一番大事。「集中して! 私の目見て! 私の声聞いて!」と言っていました。

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