回転寿司大手で一人負け状態… いまだに寿司を回転させない「スシロー」苦境の元凶

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積極的な海外展開がアダに?

 さらにスシローに追い打ちをかけることになりそうなのが、海外の店舗を取り巻く状況だ。

 海外ですでに100店舗以上を展開しているスシローだが、24年9月期の目標として、200店規模を目指すとしている。その要になるのが中国への出店で、この7月にオープンした中国本土25店舗目となる「武漢摩爾城店」は、海外の店舗では最大となる365席の規模だった。

 積極的な海外展開の結果、先の第3四半期決算短信には、海外スシロー事業の売上は前年同期比84.9%増の469億5,500万円とある。くら寿司の23年10月期第2四半期(22年11月1日~2023年4月30日)の業績は、海外事業(アジア+北米)の売上が213億1,100万円だったから、スシローは海外事業に注力していることがわかる。

 ところが福島第一原発の処理水放出を受け、中国で日本製品不買が起きているのは知られている通り。放出が始まった8月24日には運営会社の“株価暴落”が報じられた。

「現在では株価は回復していますし、放水後でも香港のスシローで行列ができていると報じられました。ただ中国本土の店舗でも、引き続き食べられるかどうかは分かりません。少なくとも中国の出店計画には影響するでしょう。回転寿司店が乱立する国内市場の現状を受け、海外に目を向けるのは経営戦略として正しいのですが、国内の客足を取り戻せていないスシローにさらなる痛手であることは間違いないでしょう。取り急ぎの対応策として、一刻も早く回転レーンを復活させるべきだと思います」(渡辺氏)

デイリー新潮編集部

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