「“会ったその日に行為”が18%」「別のグループの人と付き合うのは無駄」衝撃のレポート コロナ、スマホで学校はどう変わった?
「キャラ」を演じてポジションを得ようとする子共たち
先の女性教師は続ける。
「今の子たちは生身の自分で他人に接するのが不得意です。傷つくことをすごく恐れている。だから、自分の身を守るために、一生懸命に『キャラ』を演じるんです。突っ込みキャラ、オタクキャラ、いじられキャラ、優等生キャラ。本来の自分とは違う自分を演じることで、傷つかずにポジションを得ようとするんです」
極端に言えば、クラスの中で演技をするようなものなのかもしれない。それをすれば、素の自分は傷つかなくて済む。
だが、これは同時に大きな問題も孕んでいるという。
「クラスには対人能力が高く、素の自分で生きていける子もいます。そういう子はガンガン前に出て、そうでない子はキャラを演じて自分を守ろうとする。だから、キャラを演じている子にとってクラスの人間関係は負担で、疲れるものなのです。クラスの中にいるのが嫌だといって不登校になる子も大勢います」(同)
対人能力の基盤を作るのは小学生くらいまでだ。中学生、高校生になれば、受験勉強に追われるなどして、なかなかその力を育むことができない。
このように考えると、12歳くらいまでをどう過ごしてきたかによって、素の自分を出せる子と、そうでない子に分かれるのかもしれない。
「八つくらいのグループに2、3人ずつ」
彼らは中高生になった時、どんな人間関係を築くのか。
中高の教師たちの間でもっとも多く挙がった特徴が、子供たちのグループが小規模化しているということだ。クラスの中で仲の良いグループに分かれることは昔からあったが、一グループの人数が減っているそうだ。
私立高校の男性教師は話す。
「10年前くらいはクラスの男子でも、スポーツ系、オタク系、ゲーム系、勉強系など四つのグループに5、6人ずつ属しているのが普通でした。それが今では八つくらいのグループにそれぞれ2、3人が属している感じで、しかもグループ同士の交流はほとんどないのです」
グループが違うと、1年間まったく言葉を交わさないだけでなく、名前すら知らないということが珍しくないそうだ。
人間だから好き嫌いがあるのは当然だとしても、1年も同じクラスにいれば、顔と名前くらい一致してもよさそうなものだ。しかし、先述のように仲の良い者同士で席替えが行われたり、教師が何もかも解決したりすれば、無理して接する必要はなくなる。特にコロナ禍は、黙食が当たり前になり、学校行事がなくなったことで、そうした状況に拍車がかかったという。
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