「“会ったその日に行為”が18%」「別のグループの人と付き合うのは無駄」衝撃のレポート コロナ、スマホで学校はどう変わった?

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 コロナ禍の学校では、さまざまな行事が中止、もしくは縮小され、給食は黙食が当たり前になった。それらは成長期にある子供たちの人間関係に大きな影響を及ぼした。子供たちはどう変ったのか、そしていま、教室では何が起きているのか。
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 コロナ禍で脚光を浴びた「トー横キッズ」と呼ばれる若者たちがいる。虐待など劣悪な家庭環境にある者たちは、親と密な時間を過ごすのを嫌がり、家から出ていく。その一部が「トー横」と呼ばれる新宿・歌舞伎町の一画に引き寄せられる。

 筆者はそんな一人である17歳の家出少女を、取材で追いかけたことがある。山梨県に住んでいた少女は、オンラインゲームで知り合った埼玉県在住、28歳の男性のアパートに転がり込んでいた。

 アパートは8畳の1Kで、家主の男性の他、17歳から24歳までの女性4人が暮らしていた。彼女たちはみな家出をした後、ゲームやSNSを介して男性と連絡を取り、身を寄せたという。

 驚いたのは、男性を含む全員がお互いの本名を知らなかったことだ。生活はバラバラで、各々が好きな時に菓子パンを食べ、雑魚寝をし、出たり入ったりする。同じ部屋にいてもずっとスマホを見ているので会話することもない。誰かが去っても、新しい人が来ても無関心。ただし、オンラインゲームの空間の中でだけはアバター同士でつながっている――。

 筆者が追っていた少女はこのアパートに5カ月も住んでいた。そんなに長く一緒にいるのに、同居者と食事や遊びにさえ行ったことがなかった。どうしてなのか。この質問に彼女は答えた。

「興味ないし、(かかわっていたら)疲れる」

健全ではないがリアルなつながり

 一時代前までは、男性が家出少女を家に泊めるのは体目当てだったし、少女たちもなし崩し的に受け入れていた。健全なわけではないが、それでもリアルなつながりはあった。では、この状況は一体何なのか。

 後日、別の取材で若者の支援事業を行うNPO法人「トナリビト」代表理事の山下祈恵にこの話をすると、こうした若者は珍しくないと教えられた。今の若い子はコミュニケーション力や他者への耐性が弱いために、性行為を求めるどころか、相手と正面から向き合うことさえできない場合があるという。寂しいから誰かと一緒にいたいと思うものの、深くかかわる力がないので、付かず離れずの距離を保とうとするのだそうだ。

 Z世代流行語ランキング1位に、好きな人が振り向いてくれた瞬間に気持ち悪いと感じる「蛙化現象」が選ばれるなど、コロナ禍を経て現在の若者たちの人間関係に注目が集まっている。その深層を掘り下げてみたい。

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