大谷翔平・右ひじ靭帯損傷で問われる「エンゼルス医療チーム」の責任 GMの会見にも違和感

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大谷を“壊した”のは誰か?

「チームに帯同し、試合の前後に選手をチェックするのがトレーナーなど医療チームの務めです。エンゼルスもやっているはずですが」(前出・同)

 百歩譲ってだが、大谷が右手中指を痙攣後の精密検査を固辞した話が本当ならば、エンゼルスの医療チームは「職務は果たした」ことになる。しかし、彼らにはスターティングメンバーを変更できるほどの権限も与えられているはずだ。それを行使しなかったのは、球団内におけるトレーナーと大谷の力関係が逆転しているということになるが……。

「レントゲン撮影が球場施設内で可能なチームもあります。医師免許を持ったスタッフもMLB球団の医療チームに参加しています。複数の医療スタッフがいて、病院と球団の両方を掛け待ちしていますが、エンゼルスも同様です」(前出・同)

 優秀なドクター、理学療法士でなければ、MLBの医療チームには入れないようだ。

 しかし、医療チームが挙げてきた報告書の解釈が、球団によって異なるという。たとえば、主力投手のヒジに炎症が見つかったとする。炎症の度合いは数値化されるが、同じ数値でも「大丈夫」と判断する球団もあれば、「故障する一歩手前」と慎重を期す球団もある。「試合に出るな」と言うトレーナーもいる。エンゼルスの場合、このデータを判断する球団の基準が緩すぎて、故障を未然に防ぐことができなかったのではないだろうか。

「大谷は右ヒジに黒いサポーターをつけて投球練習をしています。黒いサポーターは血圧やストレス具合を測定するものなんです」(関係者)

 大谷に対し、厳密な測定、事前チェックを行ってきたのは間違いないようだが、それでも右肘靱帯を損傷させてしまったのだから、判断基準が緩いと言わざるを得ない。また、その緩い判断基準について「見直し」を進言しなかったとすれば、やはり、エンゼルスの医療チームにも責任はある。ゼネラルマネージャーの職責にはこうした選手たちの健康管理と、その最終的な判断を下すことが含まれている。

 大谷は右肘靱帯のことを聞かれたくないからか、故障公表後は取材拒否を貫いている。再度メスを入れるかどうかは、シーズン終了後のセカンドオピニオンを受けてから判断するという。

デイリー新潮編集部

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