「境内で水浴びをされて驚愕」「中国人旅行客のせいで梅毒が広がる可能性も」 中国の団体旅行解禁で起こる“観光公害”とは?
中国各地の景勝地で混乱
「実は中国が団体旅行を認めた背景には、深刻な国内事情があるのです」
そう明かすのは、現地事情に詳しいジャーナリスト。
「渡航制限で中国人の旅行熱が自国内へ向けられた結果、今年上半期だけでのべ23億人が国内旅行に出かけたとされています。シルクロード観光で有名な甘粛省の敦煌では、1日5万人もの観光客が殺到し、砂漠の周遊ツアーで人気のラクダが酷使され、過労死したなんて話まで出ています」
かの国でも人気の動物といえばパンダだが、そこでも“大渋滞”が起きた。
「パンダの保護施設がある四川省の成都では、見学客が列を成して半日待つこともザラで、世界遺産の万里の長城に至っては今シーズンの入場チケットが完売しています。対応する旅行業者の不満も限界で、待遇改善を求めストライキを起こすなど、各地の景勝地で混乱が起きています」(同)
「個人客、家族連れよりも団体客の方がタチが悪い」
そうした事態を収拾するための“ガス抜き”として、中国政府は団体旅行の解禁へと舵を切ったわけだ。
とはいえ、そうした中国人の熱烈な旅行欲を、日本側に受け止める余地がないのは明らかだろう。実際、すでに個人旅行で訪れている中国人によるトラブルが各地で相次いでいるのだ。
「連日の猛暑とはいえ、境内で水浴びをする中国人たちがいて驚きましたよ」
とは、お盆の時期に東京・浅草を訪れた日本人観光客。
「仲見世から浅草寺の境内へと入ると、柄杓ですくった水で手を清める手水舎があるんですがね。そこへ直に手を突っ込んだ中国人男性が、顔を洗って汗を流していたんですよ。その彼はずうずうしくもペットボトルに水をくみ、参拝もせず仲見世へと姿を消しました」
そんな浅草の近くには、日本随一の品ぞろえを誇る調理器具の専門店が並ぶ「かっぱ橋道具街」がある。
「中国人は1本数万円もする包丁を気前よくポンと買ってくれることもあるので、ありがたいんだけどね」
とは、さる老舗の調理器具店を営む男性だ。
「久しぶりに中国語を話す中高年の団体客が来てね。ウチは小さい店だからトイレは貸してないのに、どうしてもって言うからOKしたら、仲間がゾロゾロと5人くらい現れてトイレを借りていった。さすがに何か買っていってくれるかと思ったら、誰一人としてお金を落とさず退店するので頭にきましたよ。中国人は個人客や家族連れよりも、団体客の方がタチ悪いね」
銀座では、免税品などの買い物目当ての中国人を乗せた団体バスが大通りに大挙し、路上駐車は当たり前。おまけにバスから降りてきた集団は平気で所かまわず喫煙。紫煙を通行人に向けて吐き出す様を見ると、憤りを越えてあきれるばかりなのだ。
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