藤浪晋太郎の来季契約に「阪神時代へ逆戻り」の懸念 ボラスの“甘言”に乗れば「ノーコン病」再発も

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今の藤浪なら1000万ドルも可能

 この状態を維持していけば、プレーオフでも戦力に計算される。同学年で、高校時代は双璧の逸材とされた大谷がMLB6年目の今季も絶望的になっているプレーオフの舞台に、藤浪は1年目から立てそうだ。さらにフリーエージェント(FA)となる今オフ、325万ドル(約4億7000万円)からの大幅な昇給や複数年契約が見込まれる。さる米大手マネジメント会社の代理人は「うまくいけば年平均1000万ドル(約14億5000万円)以上で、3年程度の契約は可能ではないか」とみる。

 一方で、今の藤浪を阪神時代に重ね合わせ、制球難の再発を危惧する指摘もある。先発として開幕を迎えながら、またもローテーションに定着できなかった20年、藤浪は9月下旬から転向した中継ぎで好投を続けた。12試合に登板し、計13回を7安打3失点、四死球はゼロで防御率2.08、自己最速を更新する162キロも記録した。復活の兆しを見せていたのだが……。

 翌年、再び先発に挑戦したものの復活には遠かった。当時を知る阪神の球団関係者が述懐する。

「(20年に)ファームで(共に過ごした)球児(藤川)に助言され、リリーフになって横回転から縦回転を意識したフォームを継続していかなければならなかったが、先発に戻ってペース配分を意識したり、リリーフより多くの球種を使ったりしたことで、フォームが固まらず、また制球難が出るようになった。直球とスプリット中心に全力で、あまり考えすぎずに投げていたリリーフの時の良さが消えてしまった。ボラスが晋太郎に甘いことを言わなければ……」

藤浪、平良につけ込んだボラス氏

 この頃から藤浪に近づいていたボラス氏は、藤浪に先発でのメジャー行きを勧めたという。

「リリーフは先発より市場価値が高い。“自分なら大きな契約を取れる”などと言ったそうだ。晋太郎も環境さえ変えれば、再び先発として活躍できるかもしれないと思っていた。ボラスはそこにつけ込んだように見えた」(同関係者)

 藤浪は22年も先発で開幕を迎えた。しかし、同年も1軍定着すらままならなかった。結局、阪神で復活への確信を持てないまま、渡米することになった。今季の開幕からの苦闘は周知の通りである。

 ボラス氏は今季、西武で中継ぎから先発に転向した平良海馬の代理人でもある。

「平良に先発転向を勧めたのもボラスだった。メジャー志向を持っている平良に、リリーフより先発の方がより好条件で渡米でき、長く活躍もできるとアドバイスした。(昨オフに)平良が自分のYouTubeを使ってまで、契約更改で強行に先発転向を主張したのもボラスの言葉に背中を押されたからだろう」(セ・リーグ球団の編成担当)

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