日曜になると湧き上がる「張本勲ロス」…アンチもネット世論も巻き込んだ「喝!」と「あっぱれ!」の稀有な魅力とは

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 最近めっきりウェブメディアで記事化されない大物がいる。野球評論家の張本勲氏である。同氏は毎週日曜、朝9時頃から「サンデーモーニング」(TBS系)の人気スポーツコーナーの「週刊御意見番」に、2021年12月26日まで登場。一部で「老害」と言われることもあるその発言は、毎度のように記事化されてきた。私は現在「張本ロス」「ハリーロス」(「ハリー」はネット上の張本氏のあだ名)に陥っている。実に悲しい。本稿ではどれだけ張本氏がネットで存在感を持っていたかを振り返りたい。

発言3つがそれぞれ記事に

 特にスポーツ新聞の電子版から張本氏は重宝され、ひとつの番組中の発言3つがそれぞれ別の記事になったりもした。約40分のコーナーで3本の優良記事を作れるだけの存在がハリーなのである。具体的なタイトルとしては「張本勲氏、女子ボクシング初の金メダルを獲得した入江聖奈に『女性でも殴り合いが好きな人がいるんだね』」(2021年8月8日スポーツ報知)が有名なところ。日本ボクシング連盟は抗議声明を発表。TBSはプロデューサー名義で謝罪文を送付。張本氏も「言葉足らずで反省しています」との声明を発表して、いずれも大きな話題となった。

 様々なメディアのライターが毎週日曜の8時50分頃になると「野球評論家の張本勲氏が〇日の『サンデーモーニング』(TBS系)に出演。」の書き出しで始まるようなコタツ記事(取材しないで、コタツに入っていてのほほーんと書ける記事のこと)の準備に入り、張本氏の発言をメモする。そして、張本氏の発言が終わったところでCMなどの間に編集者へと送り、張本氏の次の発言を待つ。とにかく「張本勲氏」とタイトルに入っていれば記事はなんでもいい。特に「張本勲氏、〇〇投手の態度に『喝!』を入れる」のように、番組名物の「喝!」が出たら最高だ。逆に張本氏の後任である上原浩治氏が、張本氏の発言に対して「喝!」を入れた時も大きな話題となった。

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