“ぼっち練習”で覚醒の「菊池雄星」は二ケタ勝利目前 改めて思い出す彼の「座右の銘」

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自信は言動に表れる

 3失点降板となったオリオールズ戦(22日/現地時間)の翌日でのこと。菊池はそのままチームに帯同し、元阪神トレーナーで、ブルージェイズのパフォーマンスコーチをつとめる伊藤健治氏と敵地球場で調整を続けていた。そこへオリオールズ・藤浪晋太郎(29)が歩み寄ってきた。ちなみに、藤浪とともにやって来た、通訳兼パーソナルトレーナーの鎌田一生氏も元阪神スタッフである。

 菊池はこの“プチ阪神同窓会”を一歩引いたところから見ていたが、すぐにランニングを再開した。伊藤氏が慌てて追い掛けようとしたら、菊池は手のひらを広げて、「久しぶりに会ったのだから、もっと話していたら?」のポーズ。

 約20分後、ランニングを終えた菊池は再びプチ阪神同窓会の輪に戻ってくると、今度は藤浪と談笑。菊池の身ぶり手ぶりから「変化球の軌道」について話していたと思われる。初対面であろう鎌田氏にも色々と話し掛け、野球談議に花を咲かせていたそうだ。

「今季の菊池を見ていると、余裕があるというか、自信にあふれています。昨季まではランニング一つにしても自分の思い通りに動けないからか、首を傾げるシーンが多かったです」(前出・同)

「自信」はオフの孤独なトレーニングによって培われた。米アリゾナ州の自宅にブルペンを造り、トコトンまで投げ込み練習をやったのだ。「トコトンまで」と言ってもやみくもに投げ込み量を増やしたのではない。自ら映像チェックし、2022年シーズンの反省点、課題を克服していったのである。

「リリース前の腕の動きが小さくなりました。スプリング・トレーニング(春季キャンプ)の後半、そのことを菊池に質問したら、『意識して小さくしたわけではない』と答えていました」(現地メディア関係者)

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