〈ドラマ相棒〉右京を「おまえ」と呼び捨てにする唯一の人間 水谷豊が語った初心と舞台裏
2000年に単発の2時間ドラマで始まって以降、ぐんぐん人気を博して国民的ドラマとなった「相棒」。新作の制作が発表されずファンは気をもんでいたが、このたび、シーズン22の制作が発表された。現在では2クールを撮り下ろすが、シリーズ開始当初は1クールだったのも今や懐かしい。
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当時、多彩な顔ぶれの共演者を迎えて撮影が進む中、杉下右京役の水谷豊は「面白いものになる」とロングランを確信。そして、その先には「うれしい誤算」が待っていた。水谷が「こんなに自分の過去を振り返ろうとしたことは一度もなかった」と話す初めての著作『水谷豊 自伝』より数々の秘話を、水谷の言葉で紹介する。
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『相棒』はシーズン1のワンクール(3カ月)から始まり、シーズン2からは2クール(6カ月)の放映が定着している。ワンクール12話のくくりが、シーズンが進むに従って19話から21話までに増えたのだ。
「いきなり2クールというのは重いので、まずはワンクールからとお願いしたんです。それで、当初に僕が想像していたのは、シーズン5くらいまでは行くだろうということです。そのことを(脚本家の)輿水(泰弘)さんやプロデューサーに話したら、『まだ始まってもいないのに、なぜ?』と驚いていましたね。『これは面白いから、5年くらいはやらざるを得ないと思うよ』と答えましたが、5年でも終わらなかったのは、嬉しい誤算ですね」
シーズンがスタートする前から、『相棒』のコンセプトは明快だった。
「大人がテレビを観なくなったと言われていた時代なので、大人を振り向かせるドラマをつくろう、と話し合いました。時代も社会も変化していくものだから、ドラマも常に今を切り取っているものにしたい。エンターテインメントでありつつ、社会性も備えた作品をと。もう一つ、みなさんが楽しんでくれているうちに終わらせたいと伝えていました。視聴率が落ちてから終わったのでは、観る側にも我々にも残念な記憶しか残らなくなってしまいます」
『相棒』というタイトルもまた絶妙だった。
「当たり前過ぎて思いつかない言葉をよく思いついてくれたと思って、須藤泰司プロデューサーに誰がタイトルを考えたのか聞いたことがありました。曰く『実は、誰が〈相棒〉と言い出したのか、プロデューサー陣もわからないんですよ』。ということで、このタイトル問題は迷宮入りになっています(笑)」
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