10勝「バウアー」は近年の外国人投手でレアな存在 MLB時代とガラリと変わった点がある

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最多勝そしてCSも視野に…

 近年、日本プロ野球界にやってきた外国人投手は責任イニングで5、6回を投げると、「お疲れサマ」で交代してしまう。また、MLBではセットアッパーを務めていて、日本に来て先発ローテーションを任されるケースも多い。日本で配球や緩急を織り交ぜたピッチングを覚え、ブレイクした投手も少なくないが、長いイニングを投げるテクニックとスタミナがあり、「MLB流の中4日で投げまくりたいと思う外国人投手」はいなかった。

 25日の中日戦で三浦監督がOKを出していたら、バウアーは絶対に完投していたはずだ。堀内恒夫氏(75)など、沢村賞の選考委員も務めるプロ野球OBたちがバウアーを絶賛するのは完投するためのテクニックを持っているからだろう。

「21、22年と連続して沢村賞を獲得したオリックスの山本由伸(24)も完投が少ないんです。21年は6試合、22年は4試合でした。登板試合数(25試合以上)や奪三振数(150個以上)など、ほかの選考基準も絡めての選出なので、沢村賞受賞者のレベルが落ちたという意味ではありませんが」(前出・同)

 過去10年、「10試合以上の完投試合」の基準をクリアした投手は18年の菅野智之(33)と20年の大野雄大(34)だけだ。完投能力を見せつけているバウアーにしても、ここまで18試合に先発し、実際に完投した試合は「2」しかない。

「三浦監督がセーブさせている理由ですが、このまま中4日か5日でペナントレース終了までバウアーを先発で使っていき、クライマックスシリーズで連投させるくらいのつもりでいるのでは。ペナントレースでの猛追もバウアーの登板試合数が増えれば可能です」(前出・関係者)

 最近のバウアーだが、ピンク色のグローブを愛用している。そのせいだろうか。表情も柔らかくなってきた。MLB時代は「変人」とアダ名されていたが、日本ではその投球理論を学びたいと言って、常に選手たちに囲まれている。DeNAとの契約はMLB帰還のための腰掛けのように思われていた時期もあったが、完投能力の高さや投球論をそのまま評価してくれる日本球界での居心地の良さも感じているはずだ。

 奪三振数128は、すでに球団外国人投手の最多記録を更新している。トラ猛追、CSの切り札でもあるバウアーは沢村賞だけではなく、本気で最多勝タイトルも狙っているそうだ。

デイリー新潮編集部

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