「バカ野郎」ヤクザの子分が親分を殴る蹴るの暴行で逮捕 ハードすぎる親子喧嘩を生んだ「令和な事情」
お前、また下手うちしやがって
子が親を殴った容疑で逮捕される、なかなかショッキングな事件だった。7月14日、6代目山口組3代目弘道会傘下・10代目常滑(とこなめ)一家の中沢秀也若頭(53)が、一家の組長を殴ったり蹴ったりした暴行の容疑で逮捕された。つまり組織のナンバー2がトップに暴行を働いたということである。その背後にあった事情とは?
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「中沢若頭は7月14日、愛知県常滑市の名鉄常滑駅のロータリーで、所属する10代目常滑一家の磯部伸治組長の頭や足を殴ったり蹴ったりした疑いがもたれています」
と、担当記者。中沢若頭は磯部組長を置いてその場を立ち去ったが、現場を目撃していた通行人が警察に通報。磯部組長から被害届は出ていなかったが、防犯カメラをリレーした結果、コトが露見したようだ。
「中沢若頭は暴行の際に、“お前、また下手うちしやがって”などと口にしていたようです」(同)
言うまでもなく、ヤクザの世界で上下関係は絶対。上からの時に理不尽な暴力に耐えてこそ一人前と言われる世界において、子が親に暴力をふるうというのはご法度中のご法度と言えるだろう。
上下関係が崩壊していた
当然、若頭が組長に対して暴行をはたらくに至った経緯に注目が集まった。
「中沢若頭の“お前、また下手を打った”の言葉がヒントかもしれません。磯部組長は、本件発生直前の8月7日、カタギの人間を恐喝した容疑で同じ町に住む男と共に逮捕されており、さらに1年4カ月前に同じ容疑・同じ容疑者ペアの組み合わせで逮捕されています。その他にも虚偽の住民異動届を提出した疑いや脅迫容疑での逮捕がここ5年で6回を数えています」(同)
確かに「下手を打ちすぎ」な印象は否めないが、だからといって若頭が組長を人目につくところで暴行する理由とは言えないようにも見える。
「ひとことで言えば、上下関係が崩壊していたということでしょうね」
と話すのは、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。
「磯部組長が認知症を患っていて、中沢若頭がその対応に苦慮してきたとの情報があります。そうだからといって犯行を擁護することはできませんが、組長を単にサポートするだけでなく介護に近いことをする必要もあり、かなりストレスがたまっていたとも聞いています」(同)
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