【初告白】「手放しでは喜べない」最凶ヒグマ「OSO18」銃殺のハンターが複雑な胸中を初告白 表に出なかった理由は「多くの抗議電話」
「手放しでは喜べない」
解体にも立ち会ったという男性は、この時点でOSOとは知る由もなく、
「役場では定期的に『熊を1頭捕獲』などと報告するきまりになっていて、今回も通常業務の一環と考えていました。けれど日がたつにつれ、周囲から『もしかしたらOSOじゃないのかい』と言われ始め、剥製専門店に保管されていた頭部の毛を採取して、うちの職員と一緒に標茶町の役場まで持っていったのです。それが10日ほど後でした」
鑑定の結果、DNAはOSOと一致。18日の夕刻には男性にも一報がもたらされ、土日を挟んで22日には釧路総合振興局が会見を開き、正式発表されたのだが、ここから苦悩が始まったという。
「さんざん農家を苦しめてきたOSOを仕留めてうれしい気持ちはありますが、それは表に出せませんでした。OSOが捕まったことで、私や役場にはさまざまなリアクションが届きました。普段、鹿を撃つ時にも農家から連絡を受けて現場に出向きます。ところが、そもそも釧路町のハンターの中には、私のような役場の人間が先回りするのを面白く思わない人もいるのです」
加えて今回は、前述のように愛護団体や一般市民からの抗議も相次いだという。
「一番ひどかったのは道外からの電話で、こちらの話を全く聞かないでテープレコーダーのように一方的にまくし立てる。気が済んだら切って、また同じ人が掛けてくるというのが7、8回ありました。また、乳牛被害の当事者とはいえない釧路町の私が撃ったことで、ずっと追い続けていた標茶や厚岸(あっけし)のハンターには申し訳ないという気持ちもある。決して手放しでは喜べないのが、正直な心境です」
8月31日発売の「週刊新潮」では、OSO18駆除の一部始終について詳しく報じる。